令和2年 錯誤
ssさん
(No.1)
(2)“Aは、自己所有の時価100万円の壺を10万円程度であると思い込み、Bに対し「手元にお金がないので、10万円で売却したい」と言ったところ、BはAの言葉を信じ「それなら10万円で購入する」と言って、AB間に売買契約が成立した場合”
誤り。Aは誤った思い込みをしていますが、意思と意思表示は合致しているので錯誤はありません。この場合、取引の安全に配慮して相手方Bを保護するため、Aは錯誤による取消しをすることができません。
(3)“Aは、自己所有の時価100万円の名匠の絵画を贋作だと思い込み、Bに対し「贋作であるので、10万円で売却する」と言ったところ、Bも同様に贋作だと思い込み「贋作なら10万円で購入する」と言って、AB間に売買契約が成立した場合”
[正しい]。「10万円で売る」という意思表示をするに至った動機に思い違いがあり、それが相手方に表示されているので動機の錯誤があります。Aの過失の有無は明らかではありませんが、Bも同一の錯誤(共通錯誤)に陥っていたので、Aは錯誤による取消しができます。
(2)に意思表示が合致しているため、錯誤による取消しができないとありますが、(3)も合致しているように思えてしまいます。
(2)は10万円で売りたい→10万円で買います 合致
(3)も10万円円で売りたい→10万円で買います 合致
(2)、(3)ともに誤った錯誤をしていますが、どのようにして意思表示が合致しているしていないを判断するのでしょうか。
2021.08.04 14:07
ssさん
(No.2)
令和2年問6です
よろしくお願いします。
2021.08.04 14:07
まるさん
(No.3)
表示行為の錯誤とは、100万円で売るつもりなのに「10万円で売ります」と言ってしまうような、言い間違いのパターンです。
今回の(2)のパターンは10万円で売るつもりで「10万円で売りたい」と言っているので表示行為の錯誤にはあたりません。
また、(3)のパターンも同じく表示行為の錯誤にはあたりません。
動機の錯誤とは、その行為の基礎とした事情が真実に反するもの、つまり勘違い・思い違いです。そしてこの動機の錯誤はその動機が相手に表示されている場合にのみ、取消しが可能となります。
今回の(2)のパターンは、100万円の価値があるのに10万円の価値しかないと思い込んでいる旨を相手方に表示しておりませんので、動機の錯誤による取り消しの対象とはなりません。
対して(3)のパターンは、贋作であると思い込んでいる旨を相手方に表示しているので、動機の錯誤による取り消しの対象となります。
2021.08.04 17:57
まるさん
(No.4)
錯誤による取消しは、表意者に重過失があった場合は不可となる、という例外があります。
そしてそして更に、表意者に重過失があっても取消しができるという、例外の例外ともいえるパターンが2種類あります。
(3)のパターンでお話します。
a)相手方の悪意または善意重過失
→相手方が実は真作だと知っていて、相手の言い分に乗っかって10万円で買おうとしている場合です。
b)共通錯誤に陥っている場合
→これは問題文にある通り、相手方も贋作であると思い込んでいる場合です。
この2パターンは表意者に重過失があっても取消しができるので、(3)は問題文に明示されていませんが、たとえ表意者に重過失があったとしても、b)の共通錯誤により取消しが可能となります。
2021.08.04 18:14
ssさん
(No.5)
なるほど、意思表示が合致しているしていないで考えないで、動機の錯誤で考えるとわかりやすいですね!
表示の錯誤と動機の錯誤の使い分け頑張ります!
ありがとうございました
2021.08.04 18:21
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