平成15年問5選択肢4
maccoyさん
(No.1)
答え:〇
抵当権上の建物の賃貸借が終了し、賃借人が敷金返還請求を得た場合、賃料債権は敷金の充当される範囲で当然に消滅するとされています。よって、敷金の充当により消滅する部分の賃料債権には物上代位権を行使することができません(最判平14.3.28)。
上記のようにありますが、敷金の差押え賃料債権に充当される範囲で物上代位できるのではないのでしょうか?
2020.10.06 13:43
mさん
(No.2)
賃貸借契約における敷金契約は、抵当権者が物上代位権を行使し賃料債権を差し押さえる前ですのでBとCが自由に契約を締結することが出来ます。
つまり、Aが物上代位権を行使する前から、CのBに対する敷金は「賃料債権への充当を予定した債権」として存在します。これは抵当権者(A)に主張することが出来るとしています。
本肢の内容では賃料債権額(未払いの賃料)<敷金額であり、この賃料債権に充てた分の敷金は物上代位権を行使することが出来ません。
しかし、(本肢の内容とは異なりますが)賃料債権額(未払いの賃料)>敷金額である場合、敷金だけでは充当できなかった不足分に対しては、BはCに請求することになります(CのBに対する賃料債権が残っていることになります)から、この部分に関してAは物上代位権を行使することが出来ます。
2020.10.06 16:13
mさん
(No.3)
2020.10.06 16:23
mさん
(No.4)
>本肢の内容では賃料債権額(未払いの賃料)<敷金額であり、この賃料債権に充てた分の敷金は物上代位権を行使することが出来ません。
ここに関して、本肢の内容は「当該賃料債権について敷金が充当される限度において」でしたので訂正させていただきます。
「本肢の内容では、賃料債権に充当される分の敷金は物上代位権を行使することが出来ません。」が正しいです。失礼いたしました。
2020.10.06 16:27
くまさん
(No.5)
実はこの裁判、4者登場しますが話を分かり易くするため、平成15年問5に合わせて登場人物を3者にして説明します。
【登場人物】A:抵当権者(信託銀行、Bに貸付している)、B:建物所有者、C:賃借人
【事案概要】・Aは、B所有の建物に抵当権を設定し、その旨の登記をした。Bは、その抵当権設定登記した後、この建物をCに賃貸した。Aは、Bが貸付金の返済をしないため、抵当権の物上代位権を行使してBのCに対する賃料債権を差押えた。
・その後、Cは、建物賃貸借契約を解除し建物を明け渡した(その際、Cは契約末期の賃料を支払っていないようです。)。
<< すみません、ここから書き込みを分けます。 >>
2020.10.07 01:53
くまさん
(No.6)
Cは、建物明け渡しの際に最終期の賃借料をなぜ支払わなかったかというと、「その分は、敷金と帳消しね!」という考えのようです。Cからすると「敷金」と「未払い賃借料」を相殺したようなものです。
このCの考えを認めたのが、先の最高裁の判例のようです。
そうすると、「敷金」と「未払い賃借料」がチャラになってしまい、Aは「敷金が充当される賃料債権」をCから得ることができなくなります。
つまり、Aは、「当該賃料債権について敷金が充当される限度において物上代位権を行使することはできない。」ということになります。 いかがでしょうか?(最後に、管理人さんが掲載されていた判決趣旨を再掲します。)
『最判平14.3.28
敷金が授受された賃貸借契約に係る賃料債権につき抵当権者が物上代位権を行使してこれを差し押さえた場合において,当該賃貸借契約が終了し,目的物が明け渡されたときは,賃料債権は,敷金の充当によりその限度で消滅する。』
2020.10.07 01:53
maccoy4319さん
(No.7)
2020.10.08 12:31
広告
広告
返信投稿用フォーム
広告