宅建試験過去問題 平成29年試験 問19

問19

建築基準法(以下この問において「法」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  1. 都市計画区域又は準都市計画区域内における用途地域の指定のない区域内の建築物の建ぺい率の上限値は、原則として、法で定めた数値のうち、特定行政庁が土地利用の状況等を考慮し当該区域を区分して都道府県都市計画審議会の議を経て定めるものとなる。
  2. 第二種中高層住居専用地域内では、原則として、ホテル又は旅館を建築することができる。
  3. 幅員4m以上であり、法が施行された時点又は都市計画区域若しくは準都市計画区域に入った時点で現に存在する道は、特定行政庁の指定がない限り、法上の道路とはならない。
  4. 建築物の前面道路の幅員により制限される容積率について、前面道路が2つ以上ある場合には、これらの前面道路の幅員の最小の数値(12m未満の場合に限る。)を用いて算定する。

正解 1

問題難易度
肢157.1%
肢221.5%
肢38.1%
肢413.3%

解説

  1. [正しい]。用途地域の指定のない区域内の建築物の建ぺい率の上限値は、30%~70%の中から、特定行政庁が土地利用の状況等を考慮し当該区域を区分して都道府県都市計画審議会の議を経て定めるものとなります(建築基準法53条1項6号)。
    用途地域の指定のない区域内の建築物 十分の三、十分の四、十分の五、十分の六又は十分の七のうち、特定行政庁が土地利用の状況等を考慮し当該区域を区分して都道府県都市計画審議会の議を経て定めるもの
    商業地域内で、かつ、防火地域内にある耐火建築物等については、建築面積の敷地面積に対する割合の制限を受けない。H13-21-4
  2. 誤り。第二種中高層住居専用地域内では、ホテルや旅館を建築することはできません。第一種・第二種中高層住居専用地域は主にマンションが立ち並ぶ住宅街というイメージで、良好な住環境を守るため、不特定多数の人が集まるホテル・旅館は建築できないことになっています。
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  3. 誤り。特定行政庁の指定がなくても、幅員が4m以上あれば建築基準法上の道路となります(建築基準法42条1項3号)。
    この章の規定において「道路」とは、次の各号のいずれかに該当する幅員四メートル(特定行政庁がその地方の気候若しくは風土の特殊性又は土地の状況により必要と認めて都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域内においては、六メートル。次項及び第三項において同じ。)以上のもの(地下におけるものを除く。)をいう。

    三 都市計画区域若しくは準都市計画区域の指定若しくは変更又は第六十八条の九第一項の規定に基づく条例の制定若しくは改正によりこの章の規定が適用されるに至つた際現に存在する道
  4. 誤り。前面道路が2つ以上ある場合、前面道路幅による容積率の制限値(前面道路幅員×法定乗数)は、幅員の最大のものを用いて算出します(建築基準法52条2項)。
    …前面道路(前面道路が二以上あるときは、その幅員の最大のもの。…
    前面道路の幅員による容積率制限は、前面道路の幅員が12m以上ある場合は適用されない。H28-19-2
    容積率の制限は、都市計画において定められた数値によるが、建築物の前面道路(前面道路が二以上あるときは、その幅員の最大のもの。)の幅員が12m未満である場合には、当該前面道路の幅員のメートルの数値に法第52条第2項各号に定められた数値を乗じたもの以下でなければならない。H23-19-3
    法第42条第2項の規定により道路とみなされた道は、実際は幅員が4m未満であるが、建築物が当該道路に接道している場合には、法第52条第2項の規定による前面道路の幅員による容積率の制限を受ける。H18-21-3
    建築物の容積率の制限は、都市計画において定められた数値によるものと、建築物の前面道路の幅員に一定の数値を乗じて得た数値によるものがあるが、前面道路の幅員が12m未満である場合には、当該建築物の容積率は、都市計画において定められた容積率以下でなければならない。H17-22-1
    建築物の前面道路の幅員に一定の数値を乗じて得た数値による容積率の制限について、前面道路が二つ以上ある場合には、それぞれの前面道路の幅員に応じて容積率を算定し、そのうち最も低い数値とする。H17-22-2
    建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合は、都市計画において定められた数値以下でありさえすればよい。H13-21-3
したがって正しい記述は[1]です。