宅建試験過去問題 平成28年試験 問33(改題)

問33

宅地建物取引業者が売買等の媒介に関して受けることができる報酬についての次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、誤っているものはいくつあるか。
  1. 宅地建物取引業者が媒介する物件の売買について、売主があらかじめ受取額を定め、実際の売却額との差額を当該宅地建物取引業者が受け取る場合は、媒介に係る報酬の限度額の適用を受けない。
  2. 宅地建物取引業者は、媒介に係る報酬の限度額の他に、依頼者の依頼によらない通常の広告の料金に相当する額を報酬に合算して、依頼者から受け取ることができる。
  3. 居住用の建物の貸借の媒介に係る報酬の額は、借賃の1月分の1.10倍に相当する額以内であるが、権利金の授受がある場合は、当該権利金の額を売買に係る代金の額とみなして算定することができる。
  1. 一つ
  2. 二つ
  3. 三つ
  4. なし

正解 3

問題難易度
肢16.1%
肢225.7%
肢362.4%
肢45.8%

解説

  1. 誤り。実際の売却額との差額は報酬とみなされるため、その額を含めて国土交通大臣の定める限度額以下でなければいけません(宅建業法46条1項)。
  2. 誤り。法定の報酬限度額とは別に受領することができるのは、依頼者からの依頼によって行う特別な広告料金や物件調査に係る特別費用などに限定されています。通常の広告費用、通常の物件調査費用は宅地建物取引業者の負担となるので、依頼の有無にかかわらず、その料金を報酬に加算して受領することはできません(解釈運用-34条の2関係6⑤)。
    指定流通機構への情報登録はもちろんのこと、通常の広告、物件の調査等のための費用は、宅地建物取引業者の負担となる。
  3. 誤り。権利金の額を売買代金として報酬を計算できるのは、居住用建物以外の貸借に限られます。本肢は「居住用の建物」であるため、権利金の額を売買代金とみなして報酬計算をすることはできません。よって「借賃1月分+消費税」が報酬の上限になります。
したがって誤っているものは「三つ」です。