宅建試験過去問題 平成22年試験 問47(改題)

問47

宅地建物取引業者が行う広告等に関する次の記述のうち、不当景品類及び不当表示防止法(不動産の表示に関する公正競争規約を含む。)の規定によれば、正しいものはどれか。
  1. 路地状部分のみで道路に接する土地を取引する場合は、その路地状部分の面積が当該土地面積の50%以上を占めていなければ、路地状部分を含む旨及び路地状部分の割合又は面積を明示せずに表示してもよい。
  2. 不動産物件について表示する場合、当該物件の近隣に、現に利用できるデパートやスーパーマーケット等の商業施設が存在することを表示する場合は、当該施設までの徒歩所要時間を明示するだけでは足りず、道路距離も明示して表示しなければならない。
  3. 傾斜地を含むことにより当該土地の有効な利用が著しく阻害される場合は、原則として、傾斜地を含む旨及び傾斜地の割合又は面積を明示しなければならないが、マンションについては、これを明示せずに表示してもよい。
  4. 温泉法による温泉が付いたマンションであることを表示する場合、それが温泉に加温したものである場合であっても、その旨は明示せずに表示してもよい。

正解 3

問題難易度
肢18.0%
肢220.6%
肢363.9%
肢47.5%

解説

  1. 誤り。路地状部分が50%なので明示義務があります。販売する土地が路地状部分のみで道路に接する場合、当該路地状部分の面積が概ね全体の30%以上あるときには、路地状部分を含む旨と路地状部分の割合又は面積を明示しなければなりません(表示規約規則7条(8))。
    路地状部分のみで道路に接する土地であって、その路地状部分の面積が当該土地面積のおおむね30パーセント以上を占めるときは、路地状部分を含む旨及び路地状部分の割合又は面積を明示すること。
    路地状部分(敷地延長部分)のみで道路に接する土地であって、その路地状部分の面積が当該土地面積のおおむね30%以上を占める場合には、路地状部分を含む旨及び路地状部分の割合又は面積を明示しなければならない。R2⑩-47-1
  2. 誤り。少なくとも徒歩所要時間と道路距離の一方を表示すれば良いので誤りです。
    広告に商業施設や生活関連施設を表示する場合は、物件から当該施設までの道路距離又は徒歩所要時間を明示しなければなりません(表示規約規則9条(31))。これまで道路距離の表示に限られていましたが、徒歩所要時間の表示で代えることができるように改正されています。
    デパート、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、商店等の商業施設は、現に利用できるものを物件からの道路距離又は徒歩所要時間を明示して表示すること。ただし、工事中である等その施設が将来確実に利用できると認められるものにあっては、その整備予定時期を明示して表示することができる。
    物件の近隣に所在するスーパーマーケットを表示する場合は、物件からの自転車による所要時間を明示しておくことで、徒歩による所要時間を明示する必要がなくなる。R5-47-3
    新築分譲マンションの販売広告において、近隣のデパート、スーパーマーケット、商店等の商業施設は、将来確実に利用できる施設であっても、現に利用できるものでなければ表示することができない。R3⑫-47-1
    取引しようとする物件の周辺に存在するデパート、スーパーマーケット等の商業施設については、現に利用できるものでなければ広告に表示することはできない。H24-47-3
    取引しようとする物件の周辺に、現在工事中で、将来確実に利用できると認められるスーパーマーケットが存在する場合、整備予定時期及び物件からの道路距離又は徒歩所要時間を明らかにすることにより、広告において表示することができる。H17-47-4
  3. [正しい]。傾斜地を含む土地では、マンションと別荘地等を除き、以下のいずれかの該当する場合に、傾斜地を含む旨と傾斜地の割合又は面積を表示しなければなりません(表示規約規則7条(9))。
    • 傾斜部分の割合が全体の30%以上である場合
    • 傾斜地を含むことにより、土地の有効利用が著しく阻害される場合
    本肢は2つ目の土地の有効利用が著しく阻害される場合に該当しますが、マンションであれば明示する必要はありません。マンションは、建築済みの建物の一室が取引の対象となるので、土地の有効活用という点を考慮する必要はないからです。
    傾斜地を含む土地であって、傾斜地の割合が当該土地面積のおおむね30パーセント以上を占める場合(マンション及び別荘地等を除く。)は、傾斜地を含む旨及び傾斜地の割合又は面積を表示すること。ただし、傾斜地の割合が30パーセント以上を占めるか否かにかかわらず、傾斜地を含むことにより、当該土地の有効な利用が著しく阻害される場合(マンションを除く。)は、その旨及び傾斜地の割合又は面積を明示すること。
    土地の有効な利用が著しく阻害される傾斜地を含む宅地の販売広告を行う場合は、土地面積に占める傾斜地の割合にかかわらず、傾斜地を含む旨及びその面積を明瞭に表示しなければならない。H16-47-3
  4. 誤り。温泉法による温泉が付いていることを広告に表示する場合、その温泉に加温、加水、運び湯、循環装置の方法を用いるときには、その旨を明示する必要があります(表示規約規則9条(26))。
    温泉法(昭和23年法律第125号)による温泉については、次に掲げる事項を明示して表示すること。
    ア 温泉に加温したものについては、その旨
    イ 温泉に加水したものについては、その旨
    ウ 温泉源から採取した温泉を給湯管によらずに供給する場合(運び湯の場合)は、その旨
    エ 共同浴場を設置する場合において、循環装置又は循環ろ過装置を使用する場合は、その旨
したがって正しい記述は[3]です。