宅建試験過去問題 平成17年試験 問16
問16
不動産登記の申請に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。- 登記の申請を共同してしなければならない者の一方に登記手続をすべきことを命ずる確定判決による登記は、当該申請を共同してしなければならない者の他方が単独で申請することができる。
- 相続又は法人の合併による権利の移転の登記は、登記権利者が単独で申請することができる。
- 登記名義人の氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記又は更正の登記は、登記名義人が単独で申請することができる。
- 所有権の登記の抹消は、所有権の移転の登記の有無にかかわらず、現在の所有権の登記名義人が単独で申請することができる。
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正解 4
問題難易度
肢117.7%
肢28.8%
肢39.3%
肢464.2%
肢28.8%
肢39.3%
肢464.2%
分野
科目:1 - 権利関係細目:17 - 不動産登記法
解説
- 正しい。権利の登記は、登記権利者と登記義務者による共同申請が原則ですが、登記を命じる確定判決があった場合、相続その他一般承継、信託の登記、登記義務者の承諾がある場合の仮登記などは、単独申請が可能となっています(不動産登記法63条1項)。
第六十条、第六十五条又は第八十九条第一項(同条第二項(第九十五条第二項において準用する場合を含む。)及び第九十五条第二項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、これらの規定により申請を共同してしなければならない者の一方に登記手続をすべきことを命ずる確定判決による登記は、当該申請を共同してしなければならない者の他方が単独で申請することができる。
- 正しい。権利の登記は、登記権利者及び登記義務者が共同で申請するのが原則ですが、相続・法人の合併による権利の移転登記では、登記義務者となるべき人が死亡や消滅により存在しないので、相続人や存続会社等の登記権利者が単独で申請することができます(不動産登記法63条2項)
相続又は法人の合併による権利の移転の登記は、登記権利者が単独で申請することができる。
- 正しい。登記名義人の氏名又は名称・住所についての変更や更正の登記は、権利の登記のひとつですが、権利の設定や移動ではなく単なる情報更新です。このケースでは、登記義務者と登記権利者の関係が存在しないので、登記名義人が単独で申請することができます(不動産登記法64条1項)。
登記名義人の氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記又は更正の登記は、登記名義人が単独で申請することができる。
- [誤り]。所有権の登記の抹消は、所有権移転の登記がない場合に限って、現在の所有権の登記名義人が単独で申請することができます(不動産登記法77条)。所有権の移転の登記がない場合とは、所有権の保存登記のみがされている状態です。所有権移転登記がない場合には、抹消登記により登記を取得する者(登記権利者)がいないためです。
所有権の登記の抹消は、所有権の移転の登記がない場合に限り、所有権の登記名義人が単独で申請することができる。
所有権の登記の抹消は、所有権の移転の登記がある場合においても、所有権の登記名義人が単独で申請することができる。(R3⑩-14-1)
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