土地区画整理法(全26問中19問目)

No.19

土地区画整理法における土地区画整理組合に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
平成19年試験 問24
  1. 土地区画整理組合を設立しようとする者は、事業計画の決定に先立って組合を設立する必要があると認める場合においては、5人以上共同して、定款及び事業基本方針を定め、その組合の設立について都道府県知事の認可を受けることができる。
  2. 土地区画整理組合は、当該組合が行う土地区画整理事業に要する経費に充てるため、賦課金として参加組合員以外の組合員に対して金銭を賦課徴収することができるが、その場合、都道府県知事の認可を受けなければならない。
  3. 宅地について所有権又は借地権を有する者が設立する土地区画整理組合は、当該権利の目的である宅地を含む一定の区域の土地について土地区画整理事業を施行することができる。
  4. 土地区画整理組合の設立の認可の公告があった日から当該組合が行う土地区画整理事業に係る換地処分の公告がある日までは、施行地区内において、事業の施行の障害となるおそれがある土地の形質の変更や建築物の新築等を行おうとする者は、当該組合の許可を受けなければならない。

正解 3

問題難易度
肢15.3%
肢216.7%
肢368.4%
肢49.6%

解説

  1. 誤り。土地区画整理組合の設立は、7人以上が共同して定款と事業計画を定めた上で、都道府県知事の認可を受けるのが原則です。しかし、事業計画を作る前に組合を設立する必要があるときは、7人以上が共同して定款と事業基本方針を定めることで、設立について都道府県知事の認可を受けることができます。その後、事業基本方針に従って事業計画を定めたときに再び都道府県知事の認可を受ける運びとなります(土地区画整理法14条2項)。
    なお、設立のために必要な人数が7人以上となっている理由は、組合では理事5人以上、監事2人以上を組合員の中から選ぶことになっていて、この基準を満たすための最低人数が7人だからです。
    組合を設立しようとする者は、事業計画の決定に先立つて組合を設立する必要があると認める場合においては、前項の規定にかかわらず、七人以上共同して、定款及び事業基本方針を定め、その組合の設立について都道府県知事の認可を受けることができる。この場合においては、前項後段の規定を準用する。
    組合を設立しようとする者は、事業計画の決定に先立って組合を設立する必要があると認める場合においては、7人以上共同して、定款及び事業基本方針を定め、その組合の設立について都道府県知事の認可を受けることができる。H29-21-3
  2. 誤り。土地区画整理組合は、土地区画整理事業に要する経費に充てるため、賦課金として参加組合員以外の組合員に対して金銭を賦課徴収することができます。賦課金の徴収については組合の総会で決議されることになっており、この措置に関して都道府県知事の許認可は不要です(土地区画整理法40条1項)。
    組合は、その事業に要する経費に充てるため、賦課金として参加組合員以外の組合員に対して金銭を賦課徴収することができる。
  3. [正しい]。土地区画整理組合は、組合員が所有権や借地権を有する宅地を含む一定の区域について土地区画整理事業を施行することができます(土地区画整理法3条2項)。組合設立に同意しなかった者が所有権や借地権を有する宅地についても、一定の条件のもと施行地区に含めることができるということです。
    宅地について所有権又は借地権を有する者が設立する土地区画整理組合は、当該権利の目的である宅地を含む一定の区域の土地について土地区画整理事業を施行することができる。
    土地区画整理組合は、土地区画整理事業について都市計画に定められた施行区域外において、土地区画整理事業を施行することはできない。H24-21-2
    宅地について所有権を有する者が設立する土地区画整理組合は、当該権利の目的である宅地を含む一定の区域の土地について土地区画整理事業を施行することができる。H22-21-3
  4. 誤り。土地区画整理組合ではなく、都道府県知事の許可が必要です。
    土地区画整理事業の認可の公告があった後は、換地処分の公告がある日まで、事業の施行の障害のおそれのある土地の形質変更、建築物や工作物の新築、改築、増築、移動が容易ではない物件の設置が制限されます。組合施行の土地区画整理事業において、それらの建築行為を行おうとする者は、都道府県知事の許可を受けなければなりません(土地区画整理法76条1項2号)。
    次に掲げる公告があつた日後、第百三条第四項の公告がある日までは、施行地区内において、土地区画整理事業の施行の障害となるおそれがある土地の形質の変更若しくは建築物その他の工作物の新築、改築若しくは増築を行い、又は政令で定める移動の容易でない物件の設置若しくは堆積を行おうとする者は、国土交通大臣が施行する土地区画整理事業にあつては国土交通大臣の、その他の者が施行する土地区画整理事業にあつては都道府県知事(市の区域内において個人施行者、組合若しくは区画整理会社が施行し、又は市が第三条第四項の規定により施行する土地区画整理事業にあつては、当該市の長。以下この条において「都道府県知事等」という。)の許可を受けなければならない。
    土地区画整理組合の設立の認可の公告があった日以後、換地処分の公告がある日までは、施行地区内において、土地区画整理事業の施行の障害となるおそれがある建築物の新築を行おうとする者は、土地区画整理組合の許可を受けなければならない。R4-20-1
    土地区画整理組合の設立の認可の公告があった日後、換地処分の公告がある日までは、施行地区内において、土地区画整理事業の施行の障害となるおそれがある土地の形質の変更を行おうとする者は、当該土地区画整理組合の許可を受けなければならない。R3⑩-20-3
    土地区画整理組合の設立の認可の公告があった日以後、換地処分の公告がある日までは、施行地区内において、土地区画整理事業の施行の障害となるおそれがある建築物その他の工作物の新築を行おうとする者は、都道府県知事及び市町村長の許可を受けなければならない。H30-21-2
    土地区画整理組合の設立の認可の公告があった日後、換地処分の公告がある日までは、施行地区内において、土地区画整理事業の施行の障害となるおそれがある土地の形質の変更を行おうとする者は、当該土地区画整理組合の許可を受けなければならない。H28-21-4
    土地区画整理組合の設立の認可の公告があった日後、換地処分の公告がある日までは、施行地区内において、土地区画整理事業の施行の障害となるおそれがある土地の形質の変更を行おうとする者は、当該土地区画整理組合の許可を受けなければならない。H23-21-1
    土地区画整理事業の施行地区内においては、土地区画整理法第76条の規定により、一定の建築行為等について、国土交通大臣又は都道府県知事の許可を必要とする規制がなされるが、仮換地における当該建築行為等については、仮換地の換地予定地的な性格にかんがみ、当該規制の対象外となっている。H16-22-1
したがって正しい記述は[3]です。