都市計画法(全60問中6問目)

No.6

都市計画法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。ただし、この問において「都道府県知事」とは、地方自治法に基づく指定都市、中核市及び施行時特例市にあってはその長をいうものとする。
令和3年12月試験 問16
  1. 開発許可を受けようとする者は、開発行為に関する工事の請負人又は請負契約によらないで自らその工事を施行する者を記載した申請書を都道府県知事に提出しなければならない。
  2. 開発許可を受けた者は、開発行為に関する国土交通省令で定める軽微な変更をしたときは、遅滞なく、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
  3. 開発許可を受けた者は、開発行為に関する工事の廃止をしようとするときは、都道府県知事の許可を受けなければならない。
  4. 開発行為に同意していない土地の所有者は、当該開発行為に関する工事完了の公告前に、当該開発許可を受けた開発区域内において、その権利の行使として自己の土地に建築物を建築することができる。

正解 3

問題難易度
肢112.5%
肢215.0%
肢362.8%
肢49.7%

解説

  1. 正しい。開発許可申請書は、以下の事項を記載して都道府県知事に提出します(都市計画法30条1項、都市計画法規則15条)。
    • 開発区域の位置、区域及び規模
    • 予定建築物等の用途
    • 開発行為に関する設計
    • 工事施行者(開発行為に関する工事の請負人又は請負契約によらないで自らその工事を施行する者
    • 工事の着手予定年月日・完了予定年月日
    • 開発行為の別
    • 市街化調整区域内の場合、法34条のうち該当する理由
    • 資金計画(一定の場合を除く)
    上記のとおり、工事施行者は開発許可申請書の記載事項になっています。
    開発許可を受けようとする者が都道府県知事に提出する申請書には、開発区域内において予定される建築物の用途を記載しなければならない。H18-20-2
    開発許可申請書には、予定建築物の用途のほか、その構造、設備及び予定建築価額を記載しなければならない。H13-19-1
  2. 正しい。開発許可を受けた工事について開発許可申請書の記載事項を変更しようとする場合は、原則として都道府県知事の許可を受けなければなりません。ただし、変更に係る開発行為が、開発許可が不要な行為に該当するときや一定の軽微な変更であるときには、許可は不要となります(都市計画法35条の2第1項)。軽微な変更の場合は、変更をした後に遅滞なく、その旨を届出するだけで足ります(都市計画法35条の2第3項)。
    開発許可を受けた者は、第三十条第一項各号に掲げる事項の変更をしようとする場合においては、都道府県知事の許可を受けなければならない。ただし、変更の許可の申請に係る開発行為が、第二十九条第一項の許可に係るものにあつては同項各号に掲げる開発行為、同条第二項の許可に係るものにあつては同項の政令で定める規模未満の開発行為若しくは同項各号に掲げる開発行為に該当するとき、又は国土交通省令で定める軽微な変更をしようとするときは、この限りでない。
    開発許可を受けた者は、第一項ただし書の国土交通省令で定める軽微な変更をしたときは、遅滞なく、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
    開発許可を受けた者は、当該許可を受ける際に申請書に記載した事項を変更しようとする場合においては、都道府県知事に届け出なければならないが、当該変更が国土交通省令で定める軽微な変更に当たるときは、届け出なくてよい。R5-16-2
    市街化区域内において開発許可を受けたものが、開発区域の規模を100㎡に縮小しようとする場合においては、都道府県知事の許可を受けなければならない。H27-15-1
  3. [誤り]。開発許可を受けた工事を廃止する際は、廃止した後に、遅滞なく、その旨を都道府県知事に届出するだけで足ります(都市計画法38条)。本肢は「許可」としているので誤りです。
    開発許可を受けた者は、開発行為に関する工事を廃止したときは、遅滞なく、国土交通省令で定めるところにより、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
    開発許可を受けた者は、開発行為に関する工事を廃止するときは、都道府県知事の許可を受けなければならない。H28-17-1
    開発許可を受けた者は、開発行為に関する工事を廃止したときは、その旨を都道府県知事に報告し、その同意を得なければならない。H18-20-3
    開発許可を受けた者は、開発行為に関する工事を廃止したときは、遅滞なく、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。H16-18-3
  4. 正しい。開発許可を受けた開発区域内の土地は、以下の3つの例外を除き、工事完了の公告があるまで建築等ができません(都市計画法37条2号)。
    • 工事用の仮設建築物または特定工作物を建築・建設するとき
    • 都道府県知事が支障がないと認めたとき
    • 開発行為に同意していない者が、権利の行使として所有する土地に建築等をするとき
    本肢の説明どおり、工事完了の公告前であっても、開発行為に同意していないものが権利の行使として建築をすることは認められています。
    開発許可を受けた開発区域内の土地においては、前条第三項の公告があるまでの間は、建築物を建築し、又は特定工作物を建設してはならない。ただし、次の各号の一に該当するときは、この限りでない。
    一 当該開発行為に関する工事用の仮設建築物又は特定工作物を建築し、又は建設するとき、その他都道府県知事が支障がないと認めたとき。
    二 第三十三条第一項第十四号に規定する同意をしていない者が、その権利の行使として建築物を建築し、又は特定工作物を建設するとき。
    開発許可を受けた開発区域内において、当該区域内の土地の所有権を有し、かつ、都市計画法第33条第1項第14号に規定する同意をしていない者は、開発行為に関する工事が完了した旨の公告があるまでの間は、その権利の行使として建築物を新築することができる。H22-17-3
    開発許可を受けた開発区域内の土地であっても、当該許可に係る開発行為に同意していない土地の所有者は、その権利の行使として建築物を建築することができる。H20-19-1
    開発許可を受けた開発区域内の土地においては、開発行為に関する工事完了の公告があるまでの間であっても、都道府県知事の承認を受けて、工事用の仮設建築物を建築することができる。H18-20-4
    開発許可を受けた開発区域内において、開発行為に関する工事が完了した旨の公告があるまでの間は、開発許可を受けた者は、工事用の仮設建築物を建築するとき、その他都道府県知事が支障がないと認めたとき以外は、建築物を建築してはならない。H15-19-1
    開発許可を受けた開発区域内の土地においては、開発工事完了の公告があるまでの間は、原則として、建築物を建築することができない。H13-19-3
したがって誤っている記述は[3]です。