区分所有法(全24問中15問目)

No.15

建物の区分所有等に関する法律(以下この問において「法」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
平成23年試験 問13
  1. 管理者は、利害関係人の請求があったときは、正当な理由がある場合を除いて、規約の閲覧を拒んではならない。
  2. 規約に別段の定めがある場合を除いて、各共有者の共用部分の持分は、その有する専有部分の壁その他の区画の内側線で囲まれた部分の水平投影面積の割合による。
  3. 一部共用部分に関する事項で区分所有者全員の利害に関係しないものは、区分所有者全員の規約に定めることができない。
  4. 法又は規約により集会において決議すべきとされた事項であっても、区分所有者全員の書面による合意があったときは、書面による決議があったものとみなされる。

正解 3

問題難易度
肢15.5%
肢27.1%
肢373.9%
肢413.5%

解説

  1. 正しい。規約は、正当な理由がある場合を除いて、利害関係人の請求に応じて閲覧させなければなりません(区分所有法33条2項)。利害関係人とは、現在の区分所有者のほか、賃借人や管理組合の取引関係者、これから区分所有者になろうとしている者などです。
    前項の規定により規約を保管する者は、利害関係人の請求があつたときは、正当な理由がある場合を除いて、規約の閲覧(規約が電磁的記録で作成されているときは、当該電磁的記録に記録された情報の内容を法務省令で定める方法により表示したものの当該規約の保管場所における閲覧)を拒んではならない。
    規約を保管する者は、利害関係人の請求があったときは、正当な理由がある場合を除いて、規約の閲覧を拒んではならず、閲覧を拒絶した場合は20万円以下の過料に処される。H30-13-2
    規約を保管する者は、利害関係人の請求があったときは、正当な理由がある場合を除いて、規約の閲覧を拒んではならない。H19-15-3
  2. 正しい。各共有者の共用部分の持分は、原則としてそれぞれが有する専有部分の床面積の割合によります。区分所有建物の床面積は、壁その他の区画の内側線で囲まれた部分の水平投影面積(内法面積)によります(区分所有法14条1項・3項)。
    各共有者の持分は、その有する専有部分の床面積の割合による。
    3 前二項の床面積は、壁その他の区画の内側線で囲まれた部分の水平投影面積による。
    各共有者の共用部分の持分は、規約に別段の定めがある場合を除いて、その有する専有部分の床面積の割合によるが、この床面積は壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積である。R3⑩-13-4
  3. [誤り]。一部共用部分に関する事項も、区分所有者全員の規約に定めることができます。一部共用部分は、一部の区分所有者に共用される部分なので、区分所有者全員の利害に関係しない事項は、区分所有者全員の規約に定めがある場合を除いて、一部共用部分を使う区分所有者の規約で定めることができます(区分所有法30条2項)。つまり、区分所有者全員の規約に定めることが可能です。
    一部共用部分に関する事項で区分所有者全員の利害に関係しないものは、区分所有者全員の規約に定めがある場合を除いて、これを共用すべき区分所有者の規約で定めることができる。
  4. 正しい。集会で決議すべき事項であっても、区分所有者全員書面による合意があれば、書面による決議があったものとみなされます(区分所有法45条2項)。全員合意があるときは集会で討議する必要もなく、決議の帰趨は明らかだからです。
    この法律又は規約により集会において決議すべきものとされた事項については、区分所有者全員の書面又は電磁的方法による合意があつたときは、書面又は電磁的方法による決議があつたものとみなす。
したがって誤っている記述は[3]です。