債権総則(全37問中32問目)
No.32
Aは、Aの所有する土地をBに売却し、Bの売買代金の支払債務についてCがAとの間で保証契約を締結した。この場合、民法の規定によれば、次の記述のうち誤っているものはどれか。平成15年試験 問7
- Cの保証債務がBとの連帯保証債務である場合、AがCに対して保証債務の履行を請求してきても、CはAに対して、まずBに請求するよう主張できる。
- Cの保証債務にBと連帯して債務を負担する特約がない場合、AがCに対して保証債務の履行を請求してきても、Cは、Bに弁済の資力があり、かつ、執行が容易であることを証明することによって、Aの請求を拒むことができる。
- Cの保証債務がBとの連帯保証債務である場合、Cに対する履行の請求による時効の更新は、Bに対してその効力を生じない。
- Cの保証債務にBと連帯して債務を負担する特約がない場合、Bに対する履行の請求その他時効の完成猶予及び更新は、Cに対してもその効力を生ずる。
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正解 1
問題難易度
肢165.3%
肢27.7%
肢39.9%
肢417.1%
肢27.7%
肢39.9%
肢417.1%
分野
科目:1 - 権利関係細目:7 - 債権総則
解説
- [誤り]。連帯保証ではない保証人には、先に主たる債務者に催告すべきことを請求できる「催告の抗弁権」や、主たる債務者の財産から取立てを行うべきと言える「検索の抗弁権」がありますが、連帯保証人にはこの2つの権利がありません(民法454条)。よって、債権者Aが連帯保証人Cに対して履行を請求したきた場合、Cはこれを拒むことはできません。
保証人は、主たる債務者と連帯して債務を負担したときは、前二条の権利を有しない。
ケース①及びケース②の保証契約がいずれも連帯保証契約である場合、BがCに債務の履行を請求したときはCは催告の抗弁を主張することができるが、DがEに債務の履行を請求したときはEは催告の抗弁を主張することができない。(R2⑩-2-3) - 正しい。連帯保証ではない保証人は、検索の抗弁権を有します。よって、主たる債務者Bに弁済の資力があることを証明すれば、債権者Aの請求を拒むことができます(民法453条)。
債権者が前条の規定に従い主たる債務者に催告をした後であっても、保証人が主たる債務者に弁済をする資力があり、かつ、執行が容易であることを証明したときは、債権者は、まず主たる債務者の財産について執行をしなければならない。
- 正しい。連帯保証人について生じた事由が主たる債務者に影響するかどうかは連帯債務のときと同じです(民法458条)。別段の定めがある場合を除き、連帯債務者の1人に対して生じた事由は、更改、相殺、混同に限り他の債務者に対しても効力が生じるとされているので、連帯保証人Cが履行の請求を受けても、その効力は主たる債務者Bに及びません(民法441条)。
第四百三十八条、第四百三十九条第一項、第四百四十条及び第四百四十一条の規定は、主たる債務者と連帯して債務を負担する保証人について生じた事由について準用する。
第四百三十八条、第四百三十九条第一項及び前条に規定する場合を除き、連帯債務者の一人について生じた事由は、他の連帯債務者に対してその効力を生じない。ただし、債権者及び他の連帯債務者の一人が別段の意思を表示したときは、当該他の連帯債務者に対する効力は、その意思に従う。
- 正しい。主たる債務者に履行の請求、時効完成猶予・更新があった場合、その効力は保証人に対しても生じます(民法457条1項)。よって、主たる債務者Bに履行の請求、時効の更新があれば、保証人Cに対しても効力を生じます。
主たる債務者に対する履行の請求その他の事由による時効の完成猶予及び更新は、保証人に対しても、その効力を生ずる。
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