家族法(全31問中29問目)
No.29
相続の承認及び放棄に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。平成14年試験 問12
- 相続の放棄をする場合、その旨を家庭裁判所に申述しなければならない。
- 相続人が数人あるときは、限定承認は、共同相続人の全員が共同してのみこれをすることができる。
- 相続人が、自己のために相続の開始があったことを知った時から3カ月(家庭裁判所が期間の伸長をした場合は当該期間)以内に、限定承認又は放棄をしなかったときは、単純承認をしたものとみなされる。
- 被相続人の子が、相続の開始後に相続放棄をした場合、その者の子がこれを代襲して相続人となる。
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正解 4
問題難易度
肢17.3%
肢24.5%
肢39.0%
肢479.2%
肢24.5%
肢39.0%
肢479.2%
分野
科目:1 - 権利関係細目:13 - 家族法
解説
- 正しい。相続の放棄をする場合は、相続開始から原則3カ月以内にその旨を家庭裁判所に申述する必要があります(民法938条)。
相続の放棄をしようとする者は、その旨を家庭裁判所に申述しなければならない。
- 正しい。限定承認は、相続人の財産の限度において債務を承継する相続方法です。限定承認をする場合は、共同相続人全員が共同で裁判所に申述する必要があります(民法923条)。なお、申述期間は相続放棄と同様に相続開始から原則3カ月です。
相続人が数人あるときは、限定承認は、共同相続人の全員が共同してのみこれをすることができる。
- 正しい。相続の放棄をする場合は、原則として相続開始を知った時から3カ月以内に行う必要があります(民法915条1項)。この手続きを行わなかった場合は単純承認したものとみなされます。
相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。
家庭裁判所への相続放棄の申述は、被相続人の生前には行うことができない。(R4-2-2) - [誤り]。代襲相続が生じるのは、本来相続人となるべき人が、死亡・欠格・排除により相続権を失ったときです。相続放棄の場合は、その者の子への代襲相続はありません(民法887条)。
被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、又は第八百九十一条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その相続権を失ったときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる。ただし、被相続人の直系卑属でない者は、この限りでない。
被相続人の子が相続開始以前に死亡したときは、その者の子がこれを代襲して相続人となるが、さらに代襲者も死亡していたときは、代襲者の子が相続人となることはない。(R2⑩-8-2)
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