不動産登記法(全27問中23問目)

No.23

不動産の仮登記に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
平成16年試験 問15
  1. 仮登記の申請は、申請書に仮登記義務者が作成した承諾を証する情報を添付して、仮登記権利者が単独ですることができる。
  2. 仮登記の申請は、申請書に仮処分命令の正本を添付して、仮登記権利者が単独ですることができる。
  3. 仮登記の抹消の申請は、申請書にその仮登記の登記識別情報を添付して、登記上の利害関係人が単独ですることができる。
  4. 仮登記の抹消の申請は、申請書に仮登記名義人が作成した承諾を証する情報を添付して、登記上の利害関係人が単独ですることができる。

正解 3

問題難易度
肢17.4%
肢218.1%
肢357.4%
肢417.1%

解説

  1. 正しい。仮登記は、予備的な登記ということで、共同申請の原則が一部緩和されており、仮登記の登記義務者の承諾があるときには、仮登記の登記権利者が単独で申請することができます(不動産登記法107条1項)。この場合、申請情報として「仮登記の登記義務者が作成した承諾を証する情報」を添付する必要があります。
    仮登記は、仮登記の登記義務者の承諾があるとき及び次条に規定する仮登記を命ずる処分があるときは、第六十条の規定にかかわらず、当該仮登記の登記権利者が単独で申請することができる。
    仮登記は、仮登記の登記義務者の承諾があるときは、当該仮登記の登記権利者が単独で申請することができる。H26-14-4
    仮登記の登記義務者の承諾がある場合であっても、仮登記権利者は単独で当該仮登記の申請をすることができない。H20-16-2
    仮登記の申請は、申請書に仮処分命令の正本を添付して、仮登記権利者が単独ですることができる。H16-15-2
  2. 正しい。仮登記は、裁判所から仮登記を命ずる処分がでたときは、仮登記の登記権利者が単独で申請することができます(不動産登記法107条1項)。この場合、申請情報として「仮登記を命ずる処分の決定書の正本」を添付する必要があります。
    仮登記は、仮登記の登記義務者の承諾があるとき及び次条に規定する仮登記を命ずる処分があるときは、第六十条の規定にかかわらず、当該仮登記の登記権利者が単独で申請することができる。
    仮登記は、仮登記の登記義務者の承諾があるときは、当該仮登記の登記権利者が単独で申請することができる。H26-14-4
    仮登記の登記義務者の承諾がある場合であっても、仮登記権利者は単独で当該仮登記の申請をすることができない。H20-16-2
    仮登記の申請は、申請書に仮登記義務者が作成した承諾を証する情報を添付して、仮登記権利者が単独ですることができる。H16-15-1
  3. [誤り]。仮登記の抹消を単独で申請することができるのは、①仮登記の登記名義人と、②その登記名義人から承諾を得た登記上の利害関係者に限られます(不動産登記法110条)。登記上の利害関係者が仮登記の抹消を単独申請するときには、仮登記の登記名義人が作成した承諾を証する情報を添付する必要があります。本肢は「登記識別情報」を添付するとしているので誤りです。
    仮登記の抹消は、第六十条の規定にかかわらず、仮登記の登記名義人が単独で申請することができる。仮登記の登記名義人の承諾がある場合における当該仮登記の登記上の利害関係人も、同様とする。
    仮登記の抹消は、登記権利者及び登記義務者が共同しなければならない。H23-14-4
    仮登記の抹消の申請は、申請書に仮登記名義人が作成した承諾を証する情報を添付して、登記上の利害関係人が単独ですることができる。H16-15-4
  4. 正しい。肢3の解説のとおり、仮登記の登記名義人から承諾を得た登記上の利害関係者は、仮登記の抹消を単独で申請することができます(不動産登記法110条)。登記官が承諾を得たことを確認できるように、申請情報に仮登記の登記名義人が作成した承諾を証する情報を添付する必要があります。
    仮登記の抹消は、登記権利者及び登記義務者が共同しなければならない。H23-14-4
    仮登記の抹消の申請は、申請書にその仮登記の登記識別情報を添付して、登記上の利害関係人が単独ですることができる。H16-15-3
したがって誤っている記述は[3]です。