区分所有法(全25問中2問目)

No.2

建物の区分所有等に関する法律(以下この問において「法」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
令和5年試験 問13
  1. 集会においては、法で集会の決議につき特別の定数が定められている事項を除き、規約で別段の定めをすれば、あらかじめ通知した事項以外についても決議することができる。
  2. 集会は、区分所有者の4分の3以上の同意があるときは、招集の手続を経ないで開くことができる。
  3. 共用部分の保存行為は、規約に別段の定めがある場合を除いて、各共有者がすることができるため集会の決議を必要としない。
  4. 一部共用部分に関する事項で区分所有者全員の利害に関係しないものについての区分所有者全員の規約は、当該一部共用部分を共用すべき区分所有者が8人である場合、3人が反対したときは変更することができない。

正解 2

問題難易度
肢17.8%
肢259.5%
肢314.1%
肢418.6%

解説

  1. 正しい。集会においては、法で集会の決議につき特別の定数(4分の3、5分の4などの)が定められている事項を除き、規約で別段の定めをすれば、あらかじめ通知した事項以外についても決議することができます(区分所有法37条1項2項)。ただし、この規定は招集の手続きを経ないで開いた集会には適用されません。
    前項の規定は、この法律に集会の決議につき特別の定数が定められている事項を除いて、規約で別段の定めをすることを妨げない。
    集会においては、法で集会の決議につき特別の定数が定められている事項を除き、規約で別段の定めをすれば、あらかじめ通知した事項以外についても決議することができる。H18-16-2
  2. [誤り]。4分の3以上ではありません。招集の手続きをしないで集会を開くことができるのは、区分所有者全員の同意があるときに限られます(区分所有法36条)。
    集会は、区分所有者全員の同意があるときは、招集の手続を経ないで開くことができる。
    集会は、区分所有者全員の同意があれば、招集の手続を経ないで開くことができる。H29-13-4
    集会は、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数の同意があるときは、招集の手続きを経ないで開くことができる。H20-15-2
    管理者は、少なくとも毎年1回集会を招集しなければならないが、集会は、区分所有者全員の同意があるときは、招集の手続を経ないで開くことができる。H13-15-4
  3. 正しい。共用部分の保存行為は、規約に別段の定めがない限り、各共有者が単独ですることができます(区分所有法18条1項)。
    共用部分の管理に関する事項は、前条の場合を除いて、集会の決議で決する。ただし、保存行為は、各共有者がすることができる。
    共用部分の保存行為は、規約に別段の定めがない限り、集会の決議を経ずに各区分所有者が単独ですることができる。H24-13-1
  4. 正しい。一部共用部分とは、区分所有者全員ではなく一部の区分所有者のみによって共用される部分です。一部共用部分に関する事項で区分所有者全員の利害に関係しないものについて、区分所有者全員の規約で変更等をするときには、規約に関する決議の原則どおり区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数を要するとともに、当該一部共用部分を共用すべき区分所有者の1/4超またはその議決権の1/4超を有する者の反対がないことが必要です(区分所有法31条2項)。8人である場合、反対者が「8人×1/4=2人」を超える、つまり3人以上の場合には変更できません。
    前条第二項に規定する事項についての区分所有者全員の規約の設定、変更又は廃止は、当該一部共用部分を共用すべき区分所有者の四分の一を超える者又はその議決権の四分の一を超える議決権を有する者が反対したときは、することができない。
    一部共用部分に関する事項で区分所有者全員の利害に関係しないものについての区分所有者全員の規約の設定、変更、又は廃止は、当該一部共用部分を共用すべき区分所有者全員の承諾を得なければならない。H13-15-2
したがって誤っている記述は[2]です。