自己の所有に属さない物件の売買契約の制限
Yutaさん
(No.1)
わからないところだらけですが、中でも理解できない問題がありましたのでご教示ください。
【問】
宅建業者Aが自ら売り主として、B所有の甲宅地を、宅建業者ではない買主Cに売却する場合において、Aは、甲宅地の売買が宅建業法第41条第1項に規定する手付金等の保全措置が必要な売買に該当するとき、Cから受け取る手付金について当該保全措置を講じておけば、Cとの間で売買契約を締結することができる。
【解答】
〇
【解説】
未完成物件の場合は、手付金等の保全措置を講じているとき、またはその必要性がないときに売買契約を締結することができます。
【不明点】
他人物売買禁止の原則があるのに対して、AB間で甲宅地の売買契約(あるいは予約)がなされているなら買主Cへの売却も理解できるのですがそのような記述がありません。本問はどのように解釈すればよいでしょうか?(しかも他人物売買が解説の論点にもなっていません💦)
何卒よろしくお願い申し上げます。
2024.02.08 01:14
宅建女子さん
(No.2)
>他人物売買禁止の原則があるのに対して、AB間で甲宅地の売買契約(あるいは予約)がなされているなら買主Cへの売却も理解できるのですがそのような記述がありません。
確かにそのような記述がなく、すごくわかりにくいですね。
これは33条(未完成物件に関する条文)が根拠となります。
以下、抜粋。
ここから↓
(自己の所有に属しない宅地又は建物の売買契約締結の制限)
第三十三条の二 宅地建物取引業者は、自己の所有に属しない宅地又は建物について、自ら売主となる売買契約(予約を含む。)を締結してはならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。
一 宅地建物取引業者が当該宅地又は建物を取得する契約(予約を含み、その効力の発生が条件に係るものを除く。)を締結しているときその他宅地建物取引業者が当該宅地又は建物を取得できることが明らかな場合で国土交通省令・内閣府令で定めるとき。
二 当該宅地又は建物の売買が第四十一条第一項に規定する売買に該当する場合で当該売買に関して同項第一号又は第二号に掲げる措置が講じられているとき。
ここまで↑
例外が2つ定められてますよね。
ニを見てください。
『当該宅地又は建物の売買が第四十一条第一項に規定する売買に該当する…』
とあります。
一方、肢では
『甲宅地の売買が宅建業法第41条第1項に規定する手付金等の保全措置が必要な売買に該当するとき、』
とあり、33条2のニのパターンであると考えるべきです。
また、解説もニを簡単に説明したものです。
ちなみに条文中、
『ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない』
とあります。
一かニ『いずれか』に該当すればいいというのもポイントです。
対比問題として、H9問45肢4(完成後の物件)も確認しておくことをおすすめします。
2024.02.08 16:31
ケンケンさん
(No.3)
平成21年問31
2024.02.09 11:41
Yutaさん
(No.4)
ご丁寧にご回答ありがとうございます。
いただいたご回答を読みこんでいて返信に時間を要してしまいましたことをお詫びします。
とりあえず保全措置を要する場合は他人物売買の原則から外れて取引できると解しました。
ただ今一つイメージが沸かないのですが、実際は
Cさんが宅建業者Aの営む不動産屋を訪れ、
Cさん「あの土地(甲宅地)を売って欲しいんですが」
宅建業者Aさん「あの土地は私共所有の土地ではないので、(保全措置を要する額よりも)多めに手付を支払ってくれたらBさんと交渉してみますよ」
Bさん「いいですよ」
宅建業者Aさん:手付金受領→保全措置
宅建業者Aさん、Cさん:売買契約
というようなイメージでしょうか?
ホント、すみません💦
ケンケンさん
ありがとうございました。参考にさせていただきます。
2024.02.09 18:25
ばたさん
(No.5)
No.4に関しては、宅建女子さんの回答が望ましいと思いますので、追加知識として提供いたします。
第四十一条は「宅地建物取引業者は、宅地の造成又は建築に関する工事の完了前において行う当該工事に係る宅地又は建物の売買で自ら売主となるものに関しては...」ということで、ここにおける「B所有の甲宅地」というのは未完成物件であることがわかります。
この問題は、他人物売買の上に、未完成物件の売買というダブルパンチで聞いてきています。
未完成物件の売買については、ご存知の通り、手付金等の保全措置を行えば、AC間では契約を結べるということになります。この手付金等の保全措置とは、もしもAが物件を引き渡せない等の不測の事態が生じた場合に、Cが支払った手付金は、確実にCに返還される必要があるため、それのために第三者にCの手付金を保管させる制度です。
そのため、ここでもしもAB間での売買契約がこれから失敗して、引き渡せなくなったとしても、Cは金銭的な不利益を被ることはなくなり、しっかり返還されます。
なので、AC間で手付金等の保全措置を行えば、他人物売買も許しましょうということです。
2024.02.11 09:50
宅建女子さん
(No.6)
41条については、ばたさんの解説どおりです。追加のご説明ありがとうございます。
>この問題は、他人物売買の上に、未完成物件の売買というダブルパンチで聞いてきています。
そうなんです。
他人物+未完成=保全措置ルール守ればOK
なんですね。
でも
他人物+完成=保全措置ルール守ってもNG
(他人物取得の確約が必要)
となります。
対比問題を引用しておきます。
平成09年問45
宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、B所有の宅地(造成工事完了後)をCに売却しようとしている。この場合、宅地建物取引業法の規定によれば、次の記述のうち誤っているものはどれか。
肢4
Cが宅地建物取引業者でない場合で、AがCから受け取る手付金について宅地建物取引業法第41条の2の規定による手付金等の保全措置を講じたときは、AB間の宅地の譲渡に関する契約の有無にかかわらず、Aは、Cと売買契約を締結できる。
答え✕
※『造成工事完了後』だから。
あと、保全措置につきまして、一つだけ、ちょっと細かい話ですが注意点があります。
>第三者にCの手付金を保管させる制度です。
『指定保管機関による保管』のことだと思いますが、これが実は未完成物件には使えないんです。
保全措置は以下の3種類あります。
①銀行等による保証委託契約(手付の連帯保証人になってもらう)
➁保険保証(手付に保険をかける)
➂指定保管機関による保管(手付を預かってもらう)
完成物件ならどれも使えますが、未完成物件は①か➁になります。
引っ掛け問題ありますのでご注意↓↓
令和03年12月問27
宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者ではないBとの間で建物の売買契約を締結する場合における次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
肢2
AB間で建築工事完了前の建物の売買契約を締結する場合において、AがBから保全措置が必要となる額の手付金を受領する場合、Aは、事前に、国土交通大臣が指定する指定保管機関と手付金等寄託契約を締結し、かつ、当該契約を証する書面を買主に交付した後でなければ、Bからその手付金を受領することができない。
答え✕
※『国土交通大臣が指定する指定保管機関と手付金等寄託契約』が誤り。
2024.02.12 10:21
Yutaさん
(No.7)
補足説明を
@宅建女子さん
まとめ解説を
それぞれありがとうございました!
おっしゃっている内容についてはおおむね理解できましたが、直ちに100%覚えることは難しいので問題を解きながら徐々に覚えて参ります。
今後ともどうぞよろしくお願いします。
2024.02.12 11:21
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