所在者不明共有者の持分取得について

宅建太郎さん
(No.1)
所有者不明な共有者の持分を利害関係人が裁判に申し立てることによってその持分を取得できるのは理解出来ました。

ただ例外規定に
①所在不明者の持分が相続財産であること
②共同相続人間で遺産を分割すべき場合であること
③相続開始から10年を経過していないこと
とあるのですが、なぜその場合に裁判をすることが出来ないのかが分かりません。

分かる方いらっしゃいましたら教えて頂きたいです....
2023.10.11 22:33
こじろさん
(No.2)
おつかれさまです

まず法の趣旨なんですが、これは近年問題になっている長年放置されている空き家空き地問題に対応するものです
通常の相続を想定すると「なんで10年も待たなきゃいかんのだ!」となりそうですが、実際の相続で相続人の中にそのときから所在不明者がいることなんてほとんどないですよね
それよりは、「お父さんから相続してからもう何十年も空き家空き地なんだけど、共有になってるこの親類どこにいるのかわかんなくなって処分できないのよねえ…」を想定したものです

今回の法改正では相続開始から10年で特別寄与、受益という遺産分割をややこしくする制度も適用されないようにしており、「とにかく10年たったら空き家処分しやすくできるようにした」と考えると理解が進むかと思いますよ

所有権は最強の権利です
10年待たないと所在不明者から取り上げられないというよりは、10年で処分できるようになったんだということです
2023.10.12 08:53
宅建太郎さん
(No.3)
ごじろさん
ご回答ありがとうございます。
本当に助かりましたm(*_ _)m

もしよろしければでいいので
②の遺産分割すべき財産についてはなぜ裁判出来ないのか教えて頂けたり出来ますか...??
2023.10.12 15:33
こじろさん
(No.4)
これはですね、②だとできないと考えるのではなくて、①②③だとできない、と考えてください

ABC3兄弟が亡くなった父から①「相続した」土地が、3人の共有となり、②「遺産分割の対象」となっていたら、相続開始から③10年たっていないと、裁判はできないということです

そもそも①②じゃないと共有物になりませんので、この条文の対象にもなりません
共有物の中でも、例外として「相続で遺産分割の対象となっているもの(所在不明者の持分もあるもの)」は、「10年間は」所在不明者の権利を守ってあげましょうね、ということです
そもそも昔から所在不明だったら相続始まってることも知らないかもしれませんしね

共同購入した別荘とかとは毛色が違いますよね
2023.10.12 16:28
宅建太郎さん
(No.5)
こじろさん、度々のご返信ありがとうございました。
なるほどです!①だけじゃなくて1-3全ての要件を満たす事により裁判ができなくなってしまうのですね。
非常に分かりやすい解説ありがとうございました┏○ペコッ
2023.10.12 16:34

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