損害賠償責任

不動産王さん
(No.1)
平成13年の試験です。
甲建物の占有者である(所有者ではない。)Aは、甲建物の壁が今にも剥離(はくり)しそうであると分かっていたのに、甲建物の所有者に通知せず、そのまま放置するなど、損害発生の防止のため法律上要求される注意を行わなかった。そのために、壁が剥離して通行人Bが死亡した。この場合、Bの相続人からの不法行為に基づく損害賠償請求に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

Bの相続人は、Aに対しては損害賠償請求ができるが、甲建物の所有者に対しては、損害賠償請求ができない。
↑こちらの選択肢が「正」となる理由わかりますか?
工作物の所有者は無過失責任であり、損害賠償請求される可能性があるのではないかと思います。
2022.10.05 05:32
まるさん
(No.2)
工作物責任は、まず占有者が責任を負うのかどうかを見ます。

①占有者が損害発生防止のために注意していたかどうか?していたならば占有者は責任を負わない。

②所有者が責任を負う。所有者は無過失責任。

①で占有者が注意をしていなかったため責任を負うとなった場合、②には進みません。①でストップです。
この問題は占有者に過失ありで責任を負うため、所有者は責任を負いません。

工作物責任の条文をみてみます。
>第七百十七条  土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。

民法717条本文にもあります通り、まずは占有者が責任を負うとされています。そしてただし書の条件を満たすならば所有者が賠償するとあり、今回はただし書の条件を満たさないので所有者は責任を負いません。
2022.10.05 06:44
あああさん
(No.3)
実際こういう事故があったら、占有者に過失があったかどうかを争点に裁判で争われるのでしょうねきっと。
2022.10.05 07:18
不動産王さん
(No.4)
わかりやすい説明ありがとうございます!
勉強になりました!!!!
2022.10.05 21:59

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