契約不適合責任について

rEnさん
(No.1)
■問1
宅地建物取引業者は、自ら売主となる宅地又は建物の売買契約において、その目的物の瑕疵を担保すべき責任に関し、取引の相手方が同意した場合に限り、損害賠償の請求期間を当該宅地又は建物の引渡しの日から1年とする特約を有効に定めることができる。(取引の相手方は宅地建物取引業者ではないものとする) (2019問27-イ)

 

答え:誤り

本問は、売主が宅建業者、買主が非宅建業者なので8種制限が適用されます。

そして、本問は8種制限の一つである「瑕疵担保責任についての特約の制限」に関する内容です。 「瑕疵担保責任に関する特約」を定める場合、原則、民法と比べて買主に不利となる特約を締結することができません。

ただし、例外として、通知期間を引渡しから2年以上とすることは許されます。

民法では、瑕疵担保責任(契約不適合責任)を追及する場合、1年以内に、売主に対して契約不適合の旨を「通知」しなければならないと規定しています。

この「1年」を「引き渡しから2年」よりも長い期間で設定することはOKということです。

よって、本問は「請求期間を当該宅地又は建物の引渡しの日から1年とする特約」となっているので誤りです。

■問2
宅地建物取引業者Aが、自ら売主として締結する売買契約について、
Aが宅地建物取引業者ではないBとの間で締結する宅地の売買契約において、当該宅地の種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任を負う期間をBがその不適合を知った時から2年とする特約を定めた場合、この特約は有効である。(2020問42-1)

答え:誤り
売主が宅建業者、買主が宅建業者でない者の場合において
契約不適合責任を負う期間については、民法における債権の消滅時効期間よりも不利な特約を定めることはできません。
民法における債権の消滅時効期間は「①不適合を知ったときから5年」かつ「②引渡しから10年」です。

本肢の「不適合を知った時から2年とする特約」は①よりも不利な特約なので無効です。

■問3
売主業者Aが宅地建物取引業者ではないEとの間で締結する建物の売買契約において、Aは当該建物の種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任を一切負わないとする特約を定めた場合、この特約は無効となり、Aが当該責任を負う期間は当該建物の引渡日から2年となる。 (2020問42-4)

答え:誤り
売主が宅建業者、買主が宅建業者でない者の場合
原則、「民法の契約不適合責任」の規定よりも買主に不利な特約はしてはいけません。

例外として、上記通知期間を、物件を「引渡した日から2年以上」とする特約は有効です。

よって、本肢の「契約不適合責任を一切負わない」特約は無効となります。

特約が無効となった場合、民法のルールが適用されるので
売主業者Aが担保責任(契約不適合責任)を負う期間は「①不適合を知ったときから5年」かつ「②引渡しから10年」です。

よって、本肢は「引渡日から2年」となっているので誤りです。 


この3問の違いがイマイチわかりません。。。
・買主の不利になる時特約はダメ(無効となる)
・上記無効の場合、しったひ
2022.09.25 11:32
rEnさん
(No.2)
続きです、、

この3問の違いがイマイチわかりません。。。
・買主の不利になる時特約はダメ(無効となる)
・上記無効の場合、知った日から1年とする(引き渡しから2年は有効)

このことはわかるのですが、
「①不適合を知ったときから5年」かつ「②引渡しから10年」です。
「不適合を知った時から2年とする特約」は①よりも不利な特約なので無効

これになる理由がわかりません^^;

知った日から1年
引き渡しから2年
知った日から5年、引き渡しから10年  
になる時の違いはどのように見極めますか??
2022.09.25 11:38
まるさん
(No.3)
この投稿は投稿者により削除されました。(2022.09.25 12:11)
2022.09.25 12:07
まるさん
(No.4)
すみません、訂正して再投稿します。

「通知すべき期間」と「担保責任を負うべき期間」を混同してらっしゃるように見受けられます。

>知った日から1年
>引き渡しから2年
これは不適合を相手に通知すべき期間の話です。
民法の原則は「不適合を知ってから1年以内」ですが、宅建業法の自ら売主制限においては「引き渡しから2年以上」とする特約は認められています。

>知った日から5年、引き渡しから10年
これは担保責任を負うべき期間の話です。
相手方に通知をした後、「知ってから5年、引き渡しから10年のいずれか早い時」までに請求しなければ消滅時効にかかり相手の責任を追求できなくなります。
>「不適合を知った時から2年とする特約」は①よりも不利な特約なので無効
これは「担保責任を負うべき期間」を引き渡しから2年としていますので、民法の「知ってから5年、引き渡しから10年のいずれか早い時」よりも不利なので無効となります。
2022.09.25 12:12
rEnさん
(No.5)
まる 様
返信ありがとうございます!
なるほど!なんだわかった気がします。

ツメの甘さが出ちゃっててお恥ずかしい。。。

ありがとうございました!
2022.09.25 13:01
まるさん
(No.6)
令和4年9月1日に引渡し

令和6年4月1日に不適合発見

この場合、買主は知った時から1年後の令和7年3月31日までに「不適合見つかった」と通知しなければならず、この日を過ぎると契約不適合責任の請求はできません。
この期間は、宅建業法の自ら売主では「引渡しから2年」や「引渡しから3年」といったような特約をすることが可能です。
ここで通知期間を「引渡しから2年」としていた場合は、令和6年8月31日までに通知せねばなりません。これは民法の原則より不利ですが認められています。

きちんと期限までに通知をしたならば、
・追完
・代金減額
・損害賠償
・解除
といった請求ができます。この請求期限は、
・知ったときから5年→令和11年3月31日
・引渡しから10年→令和14年8月31日
のうち早い方の令和11年3月31日です。この日までに請求をしなければ消滅時効により売主に契約不適合責任を負わせることができなくなります。
2022.09.25 23:00

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