保証契約について

ツマさん
(No.1)
すいません、いまさらながら以下の問の意味がよくわかりません。

■問い (平成30年試験  問4)
“消滅時効完成後に主たる債務者が時効の利益を放棄した場合であっても、保証人は時効を援用することができる。”

▶解答
正しい。主たる債務者が時効の利益を放棄した場合であっても、保証人は時効を援用することができます(大判昭8.10.13)。

ん?
「主たる債務者における事由は保証人へも影響する」...では無かったかな?と。
[第四百五十七条]
主たる債務者に対する履行の請求その他の事由による時効の完成猶予及び更新は、
保証人に対しても、その効力を生ずる

この場合、債務者は引き続き借金するけど保証人は時効援用して
その後、この債権は保証人がいない状況で続いて行く...との解釈ですかね?


どう理解すべきかわからなくなりましたので
宜しくお願い致します。
2022.09.11 21:08
ピヨさん
(No.2)
主債務者がわざわざ時効の利益を放棄する訳ですから、債権者側としては信義則として今後時効の援用はせず、返済してくれると思うからではないでしょうか?

なら保証人が居なくても大丈夫だろう…というような解釈を私はしています。
2022.09.12 01:37
ニャン太郎。さん
(No.3)
この投稿は投稿者により削除されました。(2022.09.12 21:22)
2022.09.12 21:21
ニャン太郎。さん
(No.4)
457条の場合は、債権者が時効の成立を阻止する何らかのアクションを行ってます。
一方、問題の方は債権者はアクションを取っておらず、主債務者が勝手に時効の利益を放棄してます。
保証人からすれば「黙ってりゃ借金チャラになったのに、何余計なことしてんだよ!」と当然思うわけで、判例も保証人の保護を優先した、と私は解釈してます

この後は、ご理解の通り、保証人がいない状態の債権債務が残るということになりますね。
債権者が長期にわたり請求や訴訟提起などを行わず、時効の成立を許したと思えば、この結果は当然のことと思いますがいかがでしょうか?
2022.09.12 21:26
きしゅんさん
(No.5)
こんにちは。過去問解いてたらピッタリな解説がありました

[誤り]。主たる債務の目的が保証契約の締結後に加重されたときであっても、保証人の負担は加重されません(民法448条2項)。例えば、主たる債務が1,000万円から1,200万円に増加しても、保証債務は1,000万円のままということです。
また、時効の利益の放棄は援用と同様に相対効だとされているので、主たる債務者が時効完成後に時効の利益を放棄した場合でも、(連帯)保証人にはその効果は及びません(大判大8.6.24)。

後半に時効の放棄について触れられてます。時効の放棄については相対効みたいですね。
2022.09.13 16:49
ヤスさん
(No.6)
「時効の利益の放棄(時効完成後に時効を使わない)」と「時効の援用(時効完成後に時効を使う)」は、相対効です。当事者間だけにしか効力が及びません。

これは、民法が「時効は援用しなければ効力発生しない」と、時効の期間経過プラス「援用」と言うものを置いている事からも明らかです。
時効を使う事を潔く思わない、つまり「時効だけど、俺は借りたものは絶対返したい」と言う考えを持つ人もいるだろうから、期間の経過だけでなく、援用と言うものを規定して、そういう人に配慮したんです。
時効を使いたければ、援用すりゃ良いし、使いたくなければ時効の利益を放棄すれば良いんです。
ただ、こういうちょっと変な考えの人は、勝手にやってくれれば良い話で、その人のせいで巻き添えを食うのはおかしいですよね?
だから、「時効の援用」と「時効の利益の放棄」は、当事者間しか効力をもたない相対効なんです。

ついでに457条についても触れます。
457条が主たる債務者に生じた事由が保証人にも効力が及ぶとしているのを見て、時効の利益の放棄も同じように効力が及ぶと考えるのは間違いです。
457条が言っているのは「時効完成前」の話です。
「時効の援用」や「時効の利益の放棄」は、「時効完成後」の話で別物です。

再度になりますが、時効の援用や時効の利益放棄は相対的効力しか持ちません。
当事者間だけに効力ですが、主たる債務者が時効の利益の放棄、つまりせっかく時効が完成したのに使わないと言い出しました。これで困るのは保証人です。保証債務は主たる債務と運命を共にします。主たる債務が残ると言う事は保証債務も残ってしまいます。付従性の原則ですね。
これでは保証人困ってしまいます。せっかく保証債務も消えると思っていたのに、主たる債務者が余計な事をしてくれてって感じです。

だから、民法は145条で援用権者に本人だけでなく保証人など「権利の消滅について正当な利益を有する者」も入れているんです。

長々と説明しましたが、この問題の結論を言います。
保証人が「主たる債務」の消滅時効を援用して、主たる債務は時効消滅します。そして主たる債務が消滅した事により、付従性の原則から保証債務も消滅する結論になります。
2022.09.13 17:25
ヤスさん
(No.7)
長々と書いていたら、先にきしゅんさんが答を書いてくれていましたね。
大変失礼しました。
2022.09.13 17:27
ツマさん
(No.8)
皆さん

様々なご解答まことにありがとう御座います。
又、条文から根拠のある無い分でかなり納得いたしました。

ありがとう御座います!
2022.09.15 21:06

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