他人物売買と二重譲渡

山のおかみさん
(No.1)
民法で、他人物売買や二重譲渡について、学習しているところです。
・AがBに売って、物権変動が生じ、買主のBはAに対して、登記がなくても対抗できる。
・そのAがCに同じ物売った。  これは二重譲渡というようです。しかし、事実上、Aはすでに所有権がないので、他人物売買ともいえる、と思います。
テキストを読んでも、他人物売買ではなく、二重譲渡になるのか、説明がなく、混乱しています。    他人物売買なら、理解できるのですが、所有権がないのに、譲渡が成立するとは、これは、不動産特有の事項なのでしょうか?
2021.07.22 16:59
さん
(No.2)
民法第176条によれば、AB間の意思表示によって物権変動が生じることとなりますが、177条によれば、不動産の物権変動は、登記なしでは第三者に対抗できないとしており、Bが登記をするまではAの登記があるわけですから、第三者からみて所有権が移転しているかどうかが確定的ではありません。このような物権変動が不完全な状態では、Aは完全に無権利者とはいえませんので、二重譲渡にあたります。
2021.07.23 15:06
山のおかみさん
(No.3)
あさん
ありがとうございます。  もしよければ、以下も教えていただけますでしょうか?

・Aが、二重売買を実行した場合、Aは背信的悪意者として、A-C(二重売買の購入者)間の契約の無効とならないのでしょうか?    また、そのことを、  Bは主張できないのでしょうか?  

・二重売買の契約後、Cが登記を先に実行した場合、Aの詐欺行為として、BはA-B間の契約を解除できると考えて良いでしょうか?  また、Bは、Aに返金を要求できるのでしょうか?

  不動産登記における権利移動が義務ではないことや、テキストを読んでも、二重売買の実行者のAについてペナルティーの記述がなく、どうも腑に落ちなくて、スッキリしなくて、、、、。
  
2021.07.23 17:27
さん
(No.4)
Aに対するペナルティで言えば、例えばCが先に登記を備えた場合、その時点でBに対する移転登記については履行不能(債務不履行)となり、BはAに対し、契約の解除や損害賠償請求ができます。
契約解除に伴い、当事者は原状回復義務を負いますので、返金などというお話になるでしょう。また、解除によって損害が生じた場合はそれも請求できます。

この辺りは私もあまり明るくないのですが、背信的悪意者に法的な明文規定はなかったと思いますし、単にAが二重譲渡をしたというだけでは、信義則に反しているかまでは判断できないと思います。

また、宅建試験から逸れてしまうかもしれませんが、仮に、AがBへの移転登記がされていないことを利用してCに登記を備えさせた、というような場合には、詐欺や横領などの刑事責任を問われる場合もあります。
2021.07.23 21:03
山のおかみさん
(No.5)
あさん

ご説明ありがとうございます。  
  納得感のある丁寧なご説明で、大変、感謝しております。

何種類かのテキストを読んでも、二重譲渡について、
「悪いこと」と書いてあるものが無くて、本当にモヤモヤしていたんです。
いきなり、二重譲渡ありきで、始まってしまう。

そうなると、自分の常識が問われるよな気持ちになり、腑に落ちないと
前に進めなくなってしまうんです。

あらためて、しっかり勉強しようと思いました。
ありがとうございました。


2021.07.24 08:44

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