宅建試験過去問題 令和7年試験 問5

問5

Aの子がBであり、Bの子がCであり、CがAの直系卑属である場合において、民法の規定によれば、次のアからエまでの記述のうち、Aが死亡した際にCがBを代襲してAの相続人となるときを全て掲げたものはどれか。
  1. Aが死亡する以前にBが死亡したとき
  2. Bが相続に関するAの遺言書を偽造して相続権を失ったとき
  3. BがAによって相続人から廃除されて相続権を失ったとき
  4. Bが相続放棄をしたとき
  1. ア、エ
  2. イ、ウ
  3. ア、ウ、エ
  4. ア、イ、ウ

正解 4

問題難易度
肢112.4%
肢26.9%
肢316.1%
肢464.6%

解説

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法定相続人となる人が、死亡・欠格・廃除により相続できない場合、本来の相続人に代わり、その直系卑属(子や孫)が相続人となります。これを「代襲相続」と言います(民法887条)。相続放棄は対象外とされていることがポイントです。
  • 欠格:相続人が被相続人を殺そうとしたり、遺言を偽造・破棄したりした場合に、法律上当然に相続権を失うこと
  • 廃除:被相続人に対して著しい非行や虐待をした相続人について、被相続人の意思により家庭裁判所の審判で相続権を奪うこと
相続人の子は、相続人となる。
2 被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、又は第891条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その相続権を失ったときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる。ただし、被相続人の直系卑属でない者は、この限りでない。
3 前項の規定は、代襲者が、相続の開始以前に死亡し、又は第891条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その代襲相続権を失った場合について準用する。
前述のとおり、代襲相続が生じるのは本来の相続人(本問ではB)が死亡・欠格・廃除となったときです。「ア」は死亡、「イ」が欠格、「ウ」は廃除に該当し、Cへの代襲相続が発生します。しかし、「エ」の放棄は対象外です。相続放棄をした場合、最初から相続人とならなかったとみなされるためです(民法939条)。

したがってCがBを代襲相続するものは「ア、イ、ウ」です。