宅建試験過去問題 平成27年試験 問35

問35

宅地建物取引業法の規定に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  1. 「宅地建物取引業者は、取引の関係者に対し、信義を旨とし、誠実にその業務を行わなければならない。」との規定があるが、宅地建物取引士については、規定はないものの、公正かつ誠実に宅地建物取引業法に定める事務を行うとともに、宅地建物取引業に関連する業務に従事する者との連携に努めなければならないものと解されている。
  2. 「宅地建物取引士は、宅地建物取引業の業務に従事するときは、宅地建物取引士の信用又は品位を害するような行為をしてはならない」との規定がある。
  3. 「宅地建物取引士は、宅地建物取引業を営む事務所において、専ら宅地建物取引業に従事し、これに専念しなければならない」との規定がある。
  4. 「宅地建物取引業者は、その従業者に対し、その業務を適正に実施させるため、必要な教育を行うよう努めなければならない」との規定があり、「宅地建物取引士は、宅地または建物の取引に係る事務に必要な知識及び能力の維持向上に努めなければならない」との規定がある。

正解 4

問題難易度
肢115.4%
肢213.2%
肢35.3%
肢466.1%

解説

  1. 誤り。宅建業法では、宅地建物取引士についても業務処理の原則を定めています(宅建業法15条)。
    宅地建物取引士は、宅地建物取引業の業務に従事するときは、宅地又は建物の取引の専門家として、購入者等の利益の保護及び円滑な宅地又は建物の流通に資するよう、公正かつ誠実にこの法律に定める事務を行うとともに、宅地建物取引業に関連する業務に従事する者との連携に努めなければならない。
  2. 誤り。宅地建物取引士は、宅地建物取引士の信用又は品位を害するような行為をしてはなりません(宅建業法15条の2)。しかし、本肢の「宅地建物取引業の業務に従事するときは」といった限定はされていません。業務に従事するときに限らず、宅地建物取引士の信用又は品位を害するような行為をしてはならないと解されています。
    宅地建物取引士は、宅地建物取引士の信用又は品位を害するような行為をしてはならない。
    宅地建物取引士は、宅地建物取引士の信用を害するような行為をしてはならず、信用を害するような行為には、宅地建物取引士の職務に必ずしも直接関係しない行為や私的な行為も含まれる。R4-29-4
  3. 誤り。このような規定はありません。宅地建物取引士として登録を受けた者が他の業務に従事することも可能です。
  4. [正しい]。両方とも宅建業法に規定されています(宅建業法31条の2宅建業法15条の3)。
    宅地建物取引業者は、その従業者に対し、その業務を適正に実施させるため、必要な教育を行うよう努めなければならない。
    宅地建物取引士は、宅地又は建物の取引に係る事務に必要な知識及び能力の維持向上に努めなければならない。
    宅地建物取引業者は、その従業者に対し、その業務を適正に実施させるため、必要な教育を行うよう努めなければならないと法に定められている。R4-30-ウ
したがって正しい記述は[4]です。