宅建試験過去問題 平成17年試験 問27

問27

印紙税に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  1. 「時価3,000万円の土地を贈与する。」旨を記載した契約書について、印紙税の課税標準となる当該契約書の契約金額は、3,000万円である。
  2. 一の契約書に土地の譲渡契約(譲渡金額3,000万円)と建物の建築請負契約(請負金額2,000万円)をそれぞれ記載した場合、印紙税の課税標準となる当該契約書の契約金額は、5,000万円である。
  3. A社の発行する「土地の賃貸借契約に係る権利金として、B社振出しの令和6年4月1日付№1234の手形を受領した。」旨が記載された領収書は、記載金額のない売上代金に係る有価証券の受取書として印紙税が課される。
  4. A社の発行する「建物の譲渡契約に係る手付金として、500万円を受領した。」旨が記載された領収書は、記載金額500万円の売上代金に係る金銭の受取書として印紙税が課される。

正解 4

問題難易度
肢16.7%
肢216.3%
肢321.5%
肢455.5%

解説

  1. 誤り。贈与は譲渡対価がないので、贈与契約書は「契約金額の記載のないもの」として扱われます(印紙税法通達23条1号(1)ホ)。なお、契約金額の記載のないもの契約書の印紙税は200円です。
    贈与契約においては、譲渡の対価たる金額はないから、契約金額はないものとして取り扱う。
    「Dの所有する甲土地(時価2,000万円)をEに贈与する」旨を記載した贈与契約書を作成した場合、印紙税の課税標準となる当該契約書の記載金額は、2,000万円である。R5-23-3
    「Aの所有する甲土地(価額3,000万円)をBに贈与する」旨の贈与契約書を作成した場合、印紙税の課税標準となる当該契約書の記載金額は、3,000万円である。H28-23-3
    「時価3,000万円の土地を無償で譲渡する」旨を記載した贈与契約書は、記載金額3,000万円の不動産の譲渡に関する契約書として印紙税が課される。H21-24-2
  2. 誤り。記載金額は5,000万円ではなく3,000万円です。1つの契約書に譲渡契約と建築請負契約が記載されている場合、高い方の金額がその文書の記載金額となります(印紙税法通達24条(2))。本肢では「2,000万円<3,000万円」なので、記載金額は3,000万円です。
    一の文書に、課税物件表の2以上の号の課税事項が記載されているものについて、その記載金額をそれぞれの課税事項ごとに区分することができる場合 当該文書の所属することとなる号の課税事項に係る記載金額
    一の契約書に土地の譲渡契約(譲渡金額5,000万円)と建物の建築請負契約(請負金額6,000万円)をそれぞれ区分して記載した場合、印紙税の課税標準となる当該契約書の記載金額は1億1,000万円である。R5-23-2
    一の契約書に土地の譲渡契約(譲渡金額4,000万円)と建物の建築請負契約(請負金額5,000万円)をそれぞれ区分して記載した場合、印紙税の課税標準となる当該契約書の記載金額は、5,000万円である。H25-23-3
    土地の譲渡契約(記載金額5,000万円)と建物の建築工事請負契約(記載金額3,000万円)を1通の契約書にそれぞれ区分して記載した場合、その契約書の記載金額は8,000万円である。H12-27-2
  3. 誤り。領収書に金額の記載がないものでも、領収書の記載により、当事者間において売上代金に係る受取金額が明らかである場合、その金額が記載金額となります(印紙税法通達24条8号)。契約に際して交付される権利金(返還を要しないもの)は、設定・譲渡の対価としてその金額が記載金額となるので、本肢では、当該土地の賃貸借契約に係る権利金の額が記載金額とされます。
  4. [正しい]。手付金は売買代金に充当されるものですから、手付金の領収書は売上代金の受取書として課税されます。
したがって正しい記述は[4]です。