不当景品類及び不当表示防止法(全25問中9問目)

No.9

宅地建物取引業者が行う広告に関する次の記述のうち、不当景品類及び不当表示防止法(不動産の表示に関する公正競争規約を含む。)の規定によれば、正しいものはどれか。
平成28年試験 問47
  1. インターネット上に掲載した賃貸物件の広告について、掲載直前に契約済みとなったとしても、消費者からの問合せに対し既に契約済みであり取引できない旨を説明すれば、その時点で消費者の誤認は払拭されるため、不当表示に問われることはない。
  2. 宅地の造成及び建物の建築が禁止されており、宅地の造成及び建物の建築が可能となる予定がない市街化調整区域内の土地を販売する際の新聞折込広告においては、当該土地が市街化調整区域内に所在する旨を16ポイント以上の大きさの文字で表示すれば、宅地の造成や建物の建築ができない旨まで表示する必要はない。
  3. 半径300m以内に小学校及び市役所が所在している中古住宅の販売広告においては、当該住宅からの道路距離の表示を省略して、「小学校、市役所近し」と表示すればよい。
  4. 近くに新駅の設置が予定されている分譲住宅の販売広告を行うに当たり、当該鉄道事業者が新駅設置及びその予定時期を公表している場合、広告の中に新駅設置の予定時期を明示して表示してもよい。

正解 4

問題難易度
肢13.8%
肢24.5%
肢35.9%
肢485.8%

解説

  1. 誤り。契約済物件のように、物件は存在するものの実際には取引の対象となり得ない物件に関する表示は、おとり広告に該当します。おとり広告をすることは禁止されており、故意や過失がなくとも不当表示に問われることがあります(表示規約21条)。
    事業者は、次に掲げる広告表示をしてはならない。
    1 物件が存在しないため、実際には取引することができない物件に関する表示
    2 物件は存在するが、実際には取引の対象となり得ない物件に関する表示
    3 物件は存在するが、実際には取引する意思がない物件に関する表示
  2. 誤り。市街化調整区域に所在する土地については、新聞折込広告やパンフレットに「市街化調整区域。宅地の造成及び建物の建築はできません。」という文言そのままを、16ポイント以上の大きさの文字で明示することが必要です(表示規約規則7条(6))。この表示は前述の決められた文言により表示する必要があるので、所在する旨だけを表示する本件は不当表示となります。
    都市計画法第7条に規定する市街化調整区域に所在する土地については、「市街化調整区域。宅地の造成及び建物の建築はできません。」と明示すること(新聞折込チラシ等及びパンフレット等の場合には16ポイント以上の大きさの文字を用いること。)。
  3. 誤り。学校、病院、官公署、公園、その他の公共・公益施設(生活関連施設)を広告に表示する場合、物件からの道路距離又は徒歩所要時間を明示しなければなりません(表示規約規則9条(29))。よって、「近し」とだけ表示している本件は不当表示となります。
    前号の公共・公益施設以外の学校、病院、官公署、公園その他の公共・公益施設は、次に掲げるところにより表示すること。

    イ 物件からの道路距離又は徒歩所要時間を明示すること。
  4. [正しい]。新設予定の鉄道の駅は、当該路線の運行主体が公表したものであれば、その新設予定時期を明示して広告に表示することができます(表示規約規則9条(6))。
    新設予定の駅等又はバスの停留所は、当該路線の運行主体が公表したものに限り、その新設予定時期を明示して表示することができる。
したがって正しい記述は[4]です。