保証協会(全23問中15問目)

No.15

宅地建物取引業保証協会(以下この問において「保証協会」という。)又はその社員に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
平成20年試験 問44
  1. 300万円の弁済業務保証金分担金を保証協会に納付して当該保証協会の社員となった者と宅地建物取引業に関し取引をした者は、その取引により生じた債権に関し、6,000万円を限度として、当該保証協会が供託した弁済業務保証金から弁済を受ける権利を有する。
  2. 保証協会は、弁済業務保証金の還付があったときは、当該還付に係る社員又は社員であった者に対し、当該還付額に相当する額の還付充当金を主たる事務所の最寄りの供託所に供託すべきことを通知しなければならない。
  3. 保証協会の社員は、保証協会から特別弁済業務保証金分担金を納付すべき旨の通知を受けた場合で、その通知を受けた日から1か月以内にその通知された額の特別弁済業務保証金分担金を保証協会に納付しないときは、当該保証協会の社員の地位を失う。
  4. 宅地建物取引業者は、保証協会の社員の地位を失ったときは、当該地位を失った日から2週間以内に、営業保証金を主たる事務所の最寄りの供託所に供託しなければならない。

正解 3

問題難易度
肢18.1%
肢218.1%
肢360.1%
肢413.7%

解説

  1. 誤り。300万円の弁済業務保証金分担金という記述より、主たる事務所1つ(60万円)・その他の事務所8つ(240万円)ということがわかります。弁済を受けられる金額は、供託すべき営業保証金の金額以内であるため、「1,000万円+500万円×8=5,000万円」が限度となります(宅建業法64条の8)。
    宅地建物取引業保証協会の社員と宅地建物取引業に関し取引をした者(社員とその者が社員となる前に宅地建物取引業に関し取引をした者を含み、宅地建物取引業者に該当する者を除く。)は、その取引により生じた債権に関し、当該社員が社員でないとしたならばその者が供託すべき第二十五条第二項の政令で定める営業保証金の額に相当する額の範囲内(中略)において、当該宅地建物取引業保証協会が供託した弁済業務保証金について、当該宅地建物取引業保証協会について国土交通大臣の指定する弁済業務開始日以後、弁済を受ける権利を有する。
  2. 誤り。弁済業務保証金の還付があった場合、当該還付に係る社員又は社員であった者に対し、当該還付額に相当する額の還付充当金を保証協会に納付すべきことを通知する必要があります(宅建業法64条の10)。本肢では納付先を「主たる事務所の最寄りの供託所」としているため誤りです。
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    宅地建物取引業保証協会は、第六十四条の八第一項の権利の実行により弁済業務保証金の還付があつたときは、当該還付に係る社員又は社員であつた者に対し、当該還付額に相当する額の還付充当金を宅地建物取引業保証協会に納付すべきことを通知しなければならない。
  3. [正しい]。保証協会は、社員からの還付充当金の納付がない場合に備えて、弁済業務保証金準備金を積み立てておくことになっています。特別弁済業務保証金分担金は、この弁済業務保証金準備金が不足した際に、不足額に充てるため社員から徴収するものです。本店60万円、支店ごとに30万円を納付する弁済業務保証金分担金とは異なるので注意しましょう。
    保証協会の社員は、保証協会から特別弁済業務保証金分担金を納付すべき旨の通知を受けた場合、通知日から1か月以内に納付する必要があります。期間内に納付しない場合は、社員の地位を失います(宅建業法64条の12第4項宅建業法64条の10第3項)。
    前項の通知を受けた社員は、その通知を受けた日から一月以内に、その通知された額の特別弁済業務保証金分担金を当該宅地建物取引業保証協会に納付しなければならない。
    宅地建物取引業保証協会の社員は、前項に規定する期間内に第一項の還付充当金を納付しないときは、その地位を失う。
  4. 誤り。宅地建物取引業者が保証協会の社員の地位を失った場合、その地位を失った日から1週間以内に、主たる事務所の最寄りの供託所に営業保証金を供託しなければなりません(宅建業法64条の15)。
    宅地建物取引業者は、第六十四条の八第一項の規定により国土交通大臣の指定する弁済業務開始日以後に宅地建物取引業保証協会の社員の地位を失つたときは、当該地位を失つた日から一週間以内に、第二十五条第一項から第三項までの規定により営業保証金を供託しなければならない。この場合においては、同条第四項の規定の適用があるものとする。
したがって正しい記述は[3]です。