報酬関連(全24問中11問目)

No.11

宅地建物取引業者が売買等の媒介に関して受けることができる報酬についての次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、誤っているものはいくつあるか。
  1. 宅地建物取引業者が媒介する物件の売買について、売主があらかじめ受取額を定め、実際の売却額との差額を当該宅地建物取引業者が受け取る場合は、媒介に係る報酬の限度額の適用を受けない。
  2. 宅地建物取引業者は、媒介に係る報酬の限度額の他に、依頼者の依頼によらない通常の広告の料金に相当する額を報酬に合算して、依頼者から受け取ることができる。
  3. 居住用の建物の貸借の媒介に係る報酬の額は、借賃の1月分の1.10倍に相当する額以内であるが、権利金の授受がある場合は、当該権利金の額を売買に係る代金の額とみなして算定することができる。
平成28年試験 問33
  1. 一つ
  2. 二つ
  3. 三つ
  4. なし

正解 3

問題難易度
肢16.1%
肢225.7%
肢362.4%
肢45.8%

解説

  1. 誤り。実際の売却額との差額は報酬とみなされるため、その額を含めて国土交通大臣の定める限度額以下でなければいけません(宅建業法46条1項)。
    依頼者と宅地建物取引業者との間であらかじめ報酬の額を定めていなかったときは、当該依頼者は宅地建物取引業者に対して国土交通大臣が定めた報酬の限度額を報酬として支払わなければならない。H22-42-1
  2. 誤り。依頼者から依頼のあった特別の広告については報酬の上限とは別に料金を受領できますが、本肢は「依頼者の依頼によらない通常の広告」なのでその料金を受領することはできません(報酬告示9)。
    Aは、Bから媒介報酬の限度額まで受領する他に、Bの依頼によらない通常の広告の料金に相当する額を別途受領することができる。R3⑫-31-エ
    建物が店舗用である場合、Aは、Bからの依頼に基づくことなく広告をした場合でも、その広告が賃貸借契約の成立に寄与したときは、報酬とは別に、その広告料金に相当する額をBに請求することができる。H30-30-3
  3. 誤り。権利金の額を売買代金として報酬を計算できるのは、居住用建物以外の貸借のときです。本肢は「居住用の」としているため、権利金の額を売買に係る代金の額とみなして算定することはできず、「借賃の1月分+消費税」が報酬の上限になります(報酬告示6)。
    建物が店舗用である場合、Aは、B及びCの承諾を得たときは、B及びCの双方からそれぞれ11万円の報酬を受けることができる。H30-30-1
    建物が居住用である場合、Aが受け取ることができる報酬の額は、CからBに支払われる権利金の額を売買に係る代金の額とみなして算出される16万5,000円が上限となる。H30-30-2
    宅地建物取引業者が居住用建物以外の建物の貸借の媒介を行う場合において、権利金の授受があるときは、当該宅地建物取引業者が受領できる報酬額は、借賃の1.10月分又は権利金の額を売買代金とみなして算出した金額のいずれか低い方の額を上限としなければならない。H22-42-4
したがって誤っているものは「三つ」です。