35条書面(全64問中51問目)

No.51

宅地建物取引業者が建物の貸借の媒介を行う場合、次の記述のうち、宅地建物取引業法第35条の規定により重要事項としての説明が義務付けられていないものはどれか。
平成18年試験 問33
  1. 当該建物が土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律第6条第1項により指定された土砂災害警戒区域内にあるときは、その旨
  2. 当該建物が住宅の品質確保の促進等に関する法律第5条第1項に規定する住宅性能評価を受けた新築住宅であるときは、その旨
  3. 台所、浴室、便所その他の当該建物の設備の整備の状況
  4. 敷金その他いかなる名義をもって授受されるかを問わず、契約終了時において精算することとされている金銭の精算に関する事項

正解 2

問題難易度
肢17.3%
肢270.4%
肢36.8%
肢415.5%

解説

  1. 誤り。物件が土砂災害警戒区域内にあるとき、その旨は重要事項説明の対象です(宅建業法規則16条の4の3第2号)。物件が危険性の高い区域に所在することは、人の生命や財産の保護にかかわる情報なので、取引の種類を問わず説明が必要です。
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    建物の貸借の媒介を行う場合、当該建物が土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律第7条第1項により指定された土砂災害警戒区域内にあるときは、その旨を説明しなければならない。R2⑫-32-イ
    宅地の売買の媒介の場合は、土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法第6条第1項により指定された土砂災害警戒区域内にあるときはその旨を説明しなければならないが、建物の貸借の媒介の場合は説明する必要はない。H22-35-2
    売買契約の対象となる宅地が土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律によって指定された土砂災害警戒区域内である場合は、当該区域内における制限を説明すれば足り、対象物件が土砂災害警戒区域内にある旨の説明をする必要はない。H16-37-2
  2. [正しい]。住宅性能評価を受けた旨は、建物の売買・交換でのみ説明が必要です。本問は「建物の貸借の媒介」を対象としているので説明不要です。
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  3. 誤り。台所、浴室、便所等の整備状況は、建物の貸借でのみ説明が義務付けられています。
    宅地の取引では当然に不要だとして、なぜ建物の取引で貸借のみかというと、売買や交換では所有権が移るので建物の設備を自由に変更できるのに対して、貸借では借主が設備を自由に変更することができないからです。借主は現状の水回り設備を受け入れるしか選択がないため、借主が確実に把握できるよう契約前の説明が義務付けられているというわけです。
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  4. 誤り。貸借では、貸借人の債務を担保する目的で宅地・建物を問わず敷金が交付されることがあります。敷金はその取扱いや精算でトラブルになりやすいため、敷金等の精算に関する事項は、宅地・建物の貸借において重要事項説明の内容となっています(宅建業法規則16条の4の3第11号)。
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    宅地の貸借の媒介を行う場合における、「敷金その他いかなる名義をもって授受されるかを問わず、契約終了時において精算することとされている金銭の精算に関する事項」R3⑩-36-4
    貸借の媒介を行う場合、敷金その他いかなる名義をもって授受されるかを問わず、契約終了時において精算することとされている金銭の精算に関する事項を説明しなければならない。R2⑩-44-2
    建物の貸借の媒介を行う場合、Aは、当該貸借に係る契約の終了時において精算することとされている敷金の精算に関する事項について、説明しなければならない。H21-33-4
したがって義務付けられていないものは[2]です。