建築基準法(全55問中42問目)

No.42

建築基準法(以下この問において「法」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
平成18年試験 問22
  1. 第二種中高層住居専用地域内における建築物については、法第56条第1項第3号の規定による北側斜線制限は適用されない。
  2. 第一種低層住居専用地域及び第二種低層住居専用地域内における建築物については、法第56条第1項第2号の規定による隣地斜線制限が適用される。
  3. 隣地境界線上で確保される採光、通風等と同程度以上の採光、通風等が当該位置において確保されるものとして一定の基準に適合する建築物については、法第56条第1項第2号の規定による隣地斜線制限は適用されない。
  4. 法第56条の2第1項の規定による日影規制の対象区域は地方公共団体が条例で指定することとされているが、商業地域、工業地域及び工業専用地域においては、日影規制の対象区域として指定することができない。

正解 4

問題難易度
肢110.0%
肢219.2%
肢319.6%
肢451.2%

解説

  1. 誤り。北側斜線制限は、第一種・第二種低層住居専用地域、田園住居地域、第一種・第二種中高層住居専用地域の5つの用途地域内にある建築物に適用されます(建築基準法56条1項3号)。
    区域内の土地においては、建築物を建築しようとする際、当該建築物に対する建築基準法第56条第1項第2号のいわゆる隣地斜線制限の適用はない。H19-22-4
    第一種低層住居専用地域及び第二種低層住居専用地域内における建築物については、法第56条第1項第2号の規定による隣地斜線制限が適用される。H18-22-2
  2. 誤り。第一種低層住居専用地域・第二種低層住居専用地域・田園住居地域内においては、隣地斜線制限が適用されることはありません(建築基準法56条1項2号)。隣地斜線制限は20mまたは31mより上の部分の高さを規制するものですが、上記3つの用途地域ではより厳しい「絶対高さ制限」が適用されるためです。
    区域内の土地においては、建築物を建築しようとする際、当該建築物に対する建築基準法第56条第1項第2号のいわゆる隣地斜線制限の適用はない。H19-22-4
    第二種中高層住居専用地域内における建築物については、法第56条第1項第3号の規定による北側斜線制限は適用されない。H18-22-1
  3. 誤り。本肢は、天空率による隣地斜線制限の緩和についての規定です。天空率とは、天空を見上げたときの全天の面積に占める空の面積の割合で、一定以上の天空率が確保されている建築物については、道路斜線制限、隣地斜線制限、北側斜線制限が適用されないことになっています。
    天空率の算定位置は斜線制限ごとに定められていて、隣地斜線制限では、隣地境界線から水平に16m又は12.4mだけ外側に離れた位置で測定することになっています。本肢は「隣地境界線上」で測定する旨の説明になっているので誤りです(建築基準法56条7項2号)。
    計画しようとする建築物の天空率が、道路斜線制限、隣地斜線制限又は北側斜線制限に適合する建築物の天空率未満であれば、これらの制限は適用されない。R6-18-3
  4. [正しい]。商業地域・工業地域・工業専用地域は、原則として日影規制の対象外です(建築基準法56条の2第1項)。上記3地域内であっても、冬至日において日影規制の対象区域内の土地に日影を生じさせる高さ10mを超える建築物には、建築物単位で日影規制が適用されますが、区域をまるごと日影規制の対象区域に指定することはできません。
    日影による中高層の建築物の高さの制限に係る日影時間の測定は、夏至日の真太陽時の午前8時から午後4時までの間について行われる。R2⑩-18-4
したがって正しい記述は[4]です。
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