建築基準法(全55問中4問目)
No.4
次の記述のうち、建築基準法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。令和5年試験 問18
- 法第53条第1項及び第2項の建蔽率制限に係る規定の適用については、準防火地域内にある準耐火建築物であり、かつ、街区の角にある敷地又はこれに準ずる敷地で特定行政庁が指定するものの内にある建築物にあっては同条第1項各号に定める数値に10分の2を加えたものをもって当該各号に定める数値とする。
- 建築物又は敷地を造成するための擁壁は、道路内に、又は道路に突き出して建築し、又は築造してはならず、地盤面下に設ける建築物においても同様である。
- 地方公共団体は、その敷地が袋路状道路にのみ接する建築物であって、延べ面積が150㎡を超えるものについては、一戸建ての住宅であっても、条例で、その敷地が接しなければならない道路の幅員、その敷地が道路に接する部分の長さその他その敷地又は建築物と道路との関係に関して必要な制限を付加することができる。
- 冬至日において、法第56条の2第1項の規定による日影規制の対象区域内の土地に日影を生じさせるものであっても、対象区域外にある建築物であれば一律に、同項の規定は適用されない。
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正解 1
問題難易度
肢147.7%
肢212.9%
肢327.8%
肢411.6%
肢212.9%
肢327.8%
肢411.6%
分野
科目:2 - 法令上の制限細目:2 - 建築基準法
解説
- [正しい]。建蔽率は、原則としては都市計画で定めれられた値(指定建蔽率)によりますが、建築物が下表の要件に該当する場合には、一定の緩和を受けることができます。本肢では、準防火地域内に準耐火建築物を建築するので+10%、さらに特定行政庁が指定する角地で+10%の緩和を受けられます。よって、指定建蔽率に20%(10分の2)を加えた値が建蔽率となります(建築基準法53条3項)。
- 誤り。建築物を道路に突き出して建築することは原則としてできませんが、道路の地盤面下(地下)に設ける建築物については、道路の使用に支障が出るわけではないので建築することができます。例としては地下商店街や地下駐車場などがあります(建築基準法44条1項1号)。
建築物又は敷地を造成するための擁壁は、道路内に、又は道路に突き出して建築し、又は築造してはならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する建築物については、この限りでない。
一 地盤面下に設ける建築物 - 誤り。一戸建ての住宅は、人の密集度が低いため規模によらず本制限の対象外です。袋路状道路でのみ接する建築物は、災害時に避難者が接道部分に集中する等、避難に支障を来たすおそれがあります(下図参照)。特に人の密集度が高い共同住宅や長屋などではこの傾向が顕著です。このため、一戸建て以外の延べ面積150㎡超の建築物について、地方公共団体は条例で接道規制に関して必要な制限を付加することができます(建築基準法43条3項5号)。
地方公共団体は、次の各号のいずれかに該当する建築物について、その用途、規模又は位置の特殊性により、第一項の規定によつては避難又は通行の安全の目的を十分に達成することが困難であると認めるときは、条例で、その敷地が接しなければならない道路の幅員、その敷地が道路に接する部分の長さその他その敷地又は建築物と道路との関係に関して必要な制限を付加することができる。
…
五 その敷地が袋路状道路(その一端のみが他の道路に接続したものをいう。)にのみ接する建築物で、延べ面積が百五十平方メートルを超えるもの(一戸建ての住宅を除く。) - 誤り。高さ10m超の建築物は日影規制の対象となります。日影規制の対象区域外の建築物であっても、冬至日において日影規制の対象区域内に影を生じさせる高さ10m超の建築物は、対象区域内の建築物とみなして規制の対象とされます(建築基準法56条の2第4項)。
対象区域外にある高さが十メートルを超える建築物で、冬至日において、対象区域内の土地に日影を生じさせるものは、当該対象区域内にある建築物とみなして、第一項の規定を適用する。
商業地域内にある建築物については、法第56条の2第1項の規定による日影規制は、適用されない。ただし、冬至日において日影規制の対象区域内の土地に日影を生じさせる、高さ10mを超える建築物については、この限りではない。(H21-19-3)
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