手付金の損害賠償について
りゅうさん
(No.1)
正解は〇となっていますが、手付金を損害賠償の予定としていた場合、これはあくまで損害額の推定にすぎません。
訴訟において予定された額以上の損害が発生したことを立証すれば、予定額以上の損害賠償請求は可能なので、正しくは×ということになるのではないでしょうか。
2024.10.08 22:38
★☆さん
(No.2)
現行の民法420条では、次の通り規定されています。
第四百二十条 当事者は、債務の不履行について損害賠償の額を予定することができる。
2 賠償額の予定は、履行の請求又は解除権の行使を妨げない。
3 違約金は、賠償額の予定と推定する。
しかし、これは2020年に改正されたもので、それ以前は、次の通りとなっていました。
第四百二十条 当事者は、債務の不履行について損害賠償の額を予定することができる。「この場合において、裁判所は、その額を増減することができない。」
2 賠償額の予定は、履行の請求又は解除権の行使を妨げない。
3 違約金は、賠償額の予定と推定する。
つまり、改正によって、「この場合において、裁判所は、その額を増減することができない。」という1項後段が削除されました。
これが意味するところとしては、「損害賠償が予定されていた場合に、以前はそれは固定的であって裁判所が変えちゃいけない=つまりその予定額通りやりなさい」というものであったのが、予定された額以外の損害賠償額も採用されうる、となったと解釈すべきかと思います。
実際に、判例では、不当に高額な賠償額の予定については、信義則等を理由に、一部または全部が無効とされ、減額されたものがあるとのことです。
その判例に併せた改正ですので、りゅうさんご指摘のようなことはあり得ると思います。
ただ、上記はあくまで例外と捉えていただいたほうが良いと思います。
法の趣旨に鑑みれば、よほどおかしな予定になっていない限りは、立証せず予定の損害賠償額を請求することが原則ですので、基本的にはテキストや解説通り、「実損額に関わらず予定の額を請求し、それを増減することはできない」と捉えておくのが良いかと思います。
「損害賠償の予定低スギィ!!」といちいち立証し始めたのでは、そもそも契約時点に予定額を定めた意味がありません。
予定額は、契約設定時に公序良俗の基準に合わせて、双方納得して定めたものです。つまり、契約当事者が「握った」ものです。それを反故にするのは、それこそ契約違反です。
「その契約自体がおかしかった」と立証できる場合に限って、りゅうさんがご指摘されているような状況が生まれ得ると考えてくださればと思います。
2024.10.08 23:06
りゅうさん
(No.3)
回答者様がご指摘された判例はH6のもののようですので、この問題が出題される時点のほうが、判例よりもだいぶ後になりますね。
その状況でこの問題文にする意図がよくわかりませんが、いずれにせよ例外が存在する以上、問題のある肢だという認識でいようと思います。
ご回答いただきましてありがとうございます。
2024.10.09 01:15
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