媒介契約の時期について

ぺけぺけさん
(No.1)
売主からの依頼によって媒介契約を結び、遅滞なく契約書交付との理解で、この媒介契約の発生時期は不動産業者へのコンタクトと同じ時期くらいで生じるイメージでいます。

そこで疑問に思うのは、
買主との媒介契約締結のタイミングはどのような時期になるかという事です。
買主による物件比較の購入検討など、どうしても売主と比べて、不動産業者とやり取りを重ねた上で購入意思が生じることが多いように思え、またそれにより媒介契約時期が遅れるのではないかと思っています.

なお媒介契約書面での記載事項から、売主の存在があってこそ、物件の存在があるとも繋がるので、
売り手がいない場合に、買主へは媒介契約書交付は成り立たないとも思ってしまいます。

媒介契約を売主と買主とで比較したときにどの様に考えれば良いか、ご教授いただけると幸いです。
2024.09.08 21:06
宅建女子さん
(No.2)
契約とは当事者の合意で成り立つものだから、明確に決まってないと思います。
ただ、いくつかの判例から以下のような目安があるようです。

(某不動産会社からの引用)
事案によって成立時期は様々ですが、買主側の媒介のケースの多くは、現地案内を経て、取引物件が特定され、売主に対して価格交渉を依頼し、買付証明書を提出した時点までには、媒介契約が成立したと判断しています(東京地裁平成22年1月27日判決、横浜地裁平成18年2月1日判決)。
2024.09.09 00:05
ぺけぺけさん
(No.3)
>>宅建女子さん

教えていただいた判例に目を通してみました。ありがとうございます。最低要件の目安があると解釈に助かります。
2024.09.09 00:59
ぺけぺけさん
(No.4)
自身が疑問に感じている,部分を以下に記します。
最終的には,個人間の解釈や温度差によって認識が異なるという前提で。


・媒介契約成立の起点の認識がズレると,指示処分や免許停止の監督処分になりうること,更には過重的な処分になるかもしれないという問題が含まれると思います。
業法上でも媒介契約は委託契約に準ずるとして諾成契約方式で成立し,諾成契約故の意思表示上の不一致から後の紛争を防ぐ為に,34②書面の交付が義務付けられていると考えに矛盾してしまうのではないかと。

・専任媒介の場合など,一業者のみが不動産情報を握っているケースから,具体的に購入物件を定め,この実質的には35条書面説明が売買・交換契約の後になっている事(提示いただいた判例では買付証明書を提出→申込or承諾に当たり,売手先行であれば即時に契約成立とされる故)やはり取引の不安定さが残ると考えてしまいます。

・営業行為を顧客に対して,早期の媒介契約を持ち掛けること自体が引き渡し成約過程としてネックになってしまうのではないか等、業者内での教育の倫理観にも影響するように思えます。

・(東京地判_平27・3・26)  にもあるように,
そもそも媒介契約書を交付しない実務的な商慣習として,現在でもまかり通っていることからも,法定された罰則対象であるにも関わらず買媒介だけ抽象的な認識範囲として許されるものなのか,やっぱり気になってしまいます。
2024.09.09 01:07
宅建女子さん
(No.5)
私の回答は不動産会社から拾ってきた文章で、自分自身は深く考えたこともなかったのですが、ぺけぺけさんのコメントを読んでいると、媒介契約と売買契約を混同してしまっているような気がしました。
ただ、全体的にコメントの意図が私にはよくわからず、以下、認識が間違っていたらごめんなさい。

契約書を交付しないことで不利になるのは業者側が多いと思います。
不動産は成功報酬型なので、購入一歩手前で、別の業者に鞍替えされたら骨折り損です。
信義則的にも許されないです。
でも媒介契約書がなければ媒介の証明が大変なので、契約書交付の義務が罰則対象とはいえ、買主との契約の場合、どちらかと言えば、業者側を守るためのものという気がします。

買付証明書は申込みであって、売買を確定させるものではありません。申込みがあってここから仲介業務スタートとなるので、先に引用した内容のとおり、この時点で媒介契約成立と考えるのだと思いますが、売主と条件の折り合いがつかない等で購入に至らなければそれまでです。
また35条の話はどこにあったのか分からなかったのですが、媒介契約とは別に考えるべきかと思います。
2024.09.09 12:35
ぺけぺけさん
(No.6)
宅建女子さん
>>
度々ご意見ありがとうございます。
お考え方非常に参考になりました。

仲介業務については,申込事実の有無だけが直接的なトリガーにはなり得ないと考えてしまいます。
成功報酬型である,その成功の範囲こそ業者の責任と依頼完遂こそ媒介業務範囲に当たるとみており、
媒介契約が黙示による締結にて成立しうることからも、契約前の営業行為なども信義則違反による不法行為責任が問われます。信義則上の関与性は引渡やその直前時点の債務不履行のみだけではないと考えています。

35条の話については,
申込の単体では購入の意思表示にとどまりますが,媒介契約の影響範囲と,権利移転契約の範囲はそれぞれが影響を及ぼし合っているからこそ,
申込と承諾について触れ,35条への関連性について言及しました。
2024.09.09 13:52
パ●活は心の譲渡担保さん
(No.7)
横入り失礼します.
実益的なスレッドでしたので,実務での解釈に役立たせていただければと思います.

私も,買媒介契約の着手については営業担当者毎の判断裁量が大きすぎると思っていました.
だからこそ監督処分対象範囲の不明確さや紛争につながると怯えていますw

実定法上では,媒介とされる業務範囲に(本件では売買契約と仮定して,具体的案内行為〜引渡,決済迄_*引渡し後は事後補償分野でカバーする故)取り掛かる時点での媒介契約の成立と書面交付を規定していますが,
実務では慣習とも呼べるレベルに各事業者毎に媒介契約書の交付時期にかなり差がある印象です.

契約成立時期についても,意思表示原則である民法に沿って,
業務一連の行為の内,申込/承諾がどの目的の為に発したかを認識しないと不要な紛争に繋がってしまいますので,確かに重説の義務規定とも関与すると思えます.

▶︎媒介契約(買主/業者間)/売買契約(買主/売主間)での明確にならないと,確信を持って”業の取引”とは言えないという不安感は常にあります.*そもそも”取引”が業法上定義していなく,受け皿となる民法・商法範囲等にも解釈範囲が広がるので,事例を個別具体的な判断するしかなくなる問題点は含んでいると考えます.

以下,立法主体側の想定としての参考資料です.
国交相HP「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」別添1

やはり,この内容からも34条2項柱書の義務事項は現在の不動産業界実務と乖離している部分があると考えますが,
可能な限り,顧客対応の早期段階(例えば,具体的な購入希望内容を伺う時点など)で媒介契約を締結し,当事者の認識を固めることが望ましいと考えます.(諾成契約直後に34②書面交付(実質的には覚書))

ともかく実務運用上と実定法上の違いはあれど,
業者の倫理として適正かつ明確さが求められ,業者の報酬制限にも直接に関わる興味深いテーマだと思いましたので,一意見を述べさせていただきました.
2024.09.09 14:56

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