借地権の転借は賃貸人の承諾が必要?

cococoさん
(No.1)
借地借家法(借地)に関して、以下①②がそれぞれ賃貸人の承諾の有無について相違しているのではないかと疑問があります。

平成18年試験問14 肢1
AはBとの間で、令和4年4月に、BがCから借りている
土地上のB所有の建物について賃貸借契約(期間2年)
を締結し引渡しを受け、債務不履行をすることなく占有
使用を継続している。この場合に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定並びに判例によれば、正しいか否かを答えよ。

Bが、Cの承諾を得ることなくAに対して借地上の建物を賃貸し、それに伴い敷地であるその借地の利用を許容している場合でも、Cとの関係において、借地の無断転貸借とはならない。
【答え】○
【解説】
正しい。借地権者が、借地権設定者の承諾なしに借地上の建物を賃貸しても、借地の無断転貸借とはなりません
(大判昭8.12.11)。借地権者は自己の所有する建物のために借地を使用していることに変わりはないからです。

平成17年試験問13
借地人Aが、令和4年9月1日に甲地所有者Bと締結した
建物所有を目的とする甲地賃貸借契約に基づいてAが甲地上に所有している建物と甲地の借地権とを第三者Cに譲渡した場合に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定によれば、正しいか否かを答えよ。

甲地上のA所有の建物が登記されている場合には、Aが
Cと当該建物を譲渡する旨の合意をすれば、Bの承諾の有無にかかわらず、CはBに対して甲地の借地権を主張できる。
【答え】×
【解説】
誤り。本肢は「Bの承諾の有無にかかわらず」としている点が誤りです。
借地上の建物が借地権者名義で登記されている場合には、その借地権を第三者に対抗できますが、借地借家法ではそれ以上の効果を認めているわけではありません。
民法では、賃借権の譲渡、賃借物の転貸には賃貸人の承諾が必要とされているので、第三者は甲地所有者Bの承諾があるときに限り、Bに対して借地権を主張できます
2024.05.08 22:57
管理人
(No.2)
①は借地上の建物を貸しているだけ、②は借地上の建物と借地権を譲渡しているという違いがあります。

①借地上の建物の賃貸には地主の承諾は不要ですが、②借地権の譲渡には地主の承諾またはそれに代わる家庭裁判所の許可が必要です。
2024.05.08 23:37
cococoさん
(No.3)
>>管理人さん
ご教授ありがとうございます。

①貸しているだけでれば承諾の必要はなく
②権利の譲渡であれば承諾が必要

との事大変分かりやすいご説明ありがとうございます。

おかげさまで理解できました。
2024.05.09 16:04

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