R4問4について
おおのさん
(No.1)
回答に、
賃借権の対抗要件を備えていない建物の借主については、競売の買受けの時から6か月間引渡しを猶予する制度がありますが、本肢では抵権の対象が土地なので、このような保護はありません。したがって、Eは買受人Fに対する甲土地の引渡しを拒むことはできません。
とありますが、
なぜ土地だと引渡しの猶予がないのでしょうか。
2024.04.22 21:43
一昨年合格者さん
(No.2)
第387条【抵当権者の同意の登記がある場合の賃貸借の対抗力】
① 登記をした賃貸借は、その登記前に登記をした抵当権を有するすべての者が同意をし、かつ、その同意の登記があるときは、その同意をした抵当権者に対抗することができる。
② 抵当権者が前項の同意をするには、その抵当権を目的とする権利を有する者その他抵当権者の同意によって不利益を受けるべき者の承諾を得なければならない。
これは建物でも土地でもいいのでしょうが、部屋を借りるだけでこの登記を取り付けるのは現実的ではないので、建物だけ別に6ヶ月猶予の法律があるのかなーと思ったり。建物ならそれだけ期間あれば次の部屋探せるし。
一方、何十年と住むつもりで借りてる借地権者に6ヶ月猶予与えたところで、更地にして出ていくなんて損失が大きすぎるので、猶予与えたところであまり意味はなく(むしろ揉めて裁判になって長引きそう)、387条だけでいいということかなと。
いずれも個人的な意見であり、本当の理由は分かりませんが。
2024.04.22 23:53
ti27004さん
(No.3)
かつては短期賃貸借制度にて対応していましたが、その制度を悪用することで競売手続きを妨害する事例が発生していたため、現在の明渡猶予制度で落ち着いたという経緯があるそうです。
簡潔にまとめると、抵当権が行使されたら土地・建物どちらでも明け渡しをしなければいけないのが原則ですが、建物の場合は政策的に例外対応をしているため、明渡を猶予してもらえる、ということになります。
2024.04.23 10:54
通りすがりさん
(No.4)
>なぜ土地だと引渡しの猶予がないのでしょうか。
単純に適用する条文がないためです。
民法
(抵当建物使用者の引渡しの猶予)
第395条 抵当権者に対抗することができない賃貸借により抵当権の目的である建物の使用又は収益をする者であって次に掲げるもの(次項において「抵当建物使用者」という。)は、その建物の競売における買受人の買受けの時から六箇月を経過するまでは、その建物を買受人に引き渡すことを要しない。
一 競売手続の開始前から使用又は収益をする者
二 強制管理又は担保不動産収益執行の管理人が競売手続の開始後にした賃貸借により使用又は収益をする者
2 前項の規定は、買受人の買受けの時より後に同項の建物の使用をしたことの対価について、買受人が抵当建物使用者に対し相当の期間を定めてその一箇月分以上の支払の催告をし、その相当の期間内に履行がない場合には、適用しない。
建物に対しては、適用条文がありますが、土地に関する規定はありません。
よって、土地に関しては、6か月の猶予がないと解釈できます。
実務上、賃貸人が登記に応じることは稀です。
そこで、借地借家法で引渡しなどでも対抗力を得ることができます。
建物に関しては、賃借人は、競売の申立がなされて初めて賃借人が知ることになります。
よって、賃借人は、競売を予測することができません。だから準備期間として猶予条文があります。
しかし、土地に関しては、賃借人は、競売の申立の前に催告がありますので、予測性があります。
さらに、競売の申立がなされて初めて知ることになる場合でも、対抗要件を具備していない賃借人の帰責性が高いと立法者が判断したと推測します。
>一昨年合格者さん
第387条【抵当権者の同意の登記がある場合の賃貸借の対抗力】は、上記のケースでは、適用されません。
抵当権が実行されても賃借権が優越するため、所有権者が変わるだけで賃借権は引き続き権利を有しますので、そもそも猶予の問題も発生しません。
2024.04.23 20:39
おおのさん
(No.5)
ti27004 さん
通りすがり さん
皆様ありがとうございます。
問題を解いていてふと気になってしまいまして。
明文化されていないのですね。
「土地に関しては、賃借人は、競売の申立の前に催告がありますので、予測性があります。」
とのことですがお恥ずかしながら初めて知りました。
一つ学びを深められてよかったです。ありがとうございます。
2024.04.24 18:41
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