賃借権をめぐる内縁関係の者と相続人の関係
あかさたなさん
(No.1)
建物賃借人Aが居て内縁関係のBが同居していたとします。
Aが死亡して、Aに相続人がいない場合は内縁関係だったBはAの賃借権を承継して建物に住み続けることはできる。
ここまではわかりますが
問題で仮にAに相続人が居た場合でも、Bは賃借権こそ援用できないが追い出されずに建物に住み続けられることがあると聞いて「?」となっています。
この場合は賃借権は当然相続人に移るはずですから、当然家賃の支払義務も相続人が負わなければならないわけで。
そうなるとBは家賃も払わずにぬくぬくと建物に居座ることとなり、相続人の立場上許せないと思うはずですが。
この場合は民法や実務では一体どう解決されるのでしょうか。
宅建、賃菅の教科書はここまで書いていなくてわかりません。
2022.11.03 08:06
初学者さん
(No.2)
裁判要旨は、「家屋賃借人の内縁の妻は、賃借人が死亡した場合には、相続人の賃借権を援用して賃貸人に対し当該家屋に居住する権利を主張することができるが、相続人とともに共同賃借人となるものではない。」とあります。
また、賃料の支払い義務を負わないともあります。
この解釈は難しくてわかりません、参考として書きます。
2022.11.03 09:37
poeさん
(No.3)
本人と内縁者との関係は賃借物の使用貸借(無償の転貸借)であり、本人死亡時には相続人が本人の転貸人たる地位を相続するため、貸主への賃料支払が嫌なら相続人は貸すのをやめればいいことになります。
元ネタの判例が言っているのは、貸主が一方的に同居人を追い出すことはできず、また同居人に対し直接に賃料を請求することもできないということのみであり、同居人(=内縁者)と借主(=相続人)の意思が一致していることが前提の事実となっています。なお同判例は、内縁者が相続人を代理して賃貸借契約を継続していると認め、借主死亡後の内縁者に対する賃料請求はOKとしています。「契約者本人」ではなく契約者たる地位にある相続人の「代理人」としている点がポイントですね。
実務上は、賃料不払であれば相続人に対し契約解除⇒返還請求をした上で、同居人には所有権に基づく返還請求を行う形を取るのではないでしょうか。
2022.11.03 11:24
ここちゃんさん
(No.4)
でも相続人には支払い義務がある
相続人からしたらどこの誰だかわからないBの為に賃料支払いたくないですよね
でも解約したくても民法がBを保護する…じゃあ賃料払うのやめて債務不履行で追い出させようと
考えてもBが賃貸人に第三者弁済して賃料を支払うことで追い出されなくて済む
でもなるべく関わりたくないので払ってる人いなさそう、それで内縁Bが賃貸人のところに支払ってるケースが多そう
一番早いのが相続人と内縁Bと賃貸人で話し合って契約解除して内縁Bが再契約のお願いした方が良い気がします
内縁複雑すぎて嫌ですね…でも実際にこういう事例多そうですね(´・ω・`)
2022.11.03 11:27
マーシーさん
(No.5)
複雑な事案で興味がわきました。
初学者さんが出してくださった判例文の後に起こりそうなことを考えてみました。
Bを追い出したい2人の立場として実施しようと思うこと…
・相続人の立場(支払義務有)
賃料をわざと支払わないことで債務不履行に追い込み契約解除に持ち込む。
・オーナーの立場
賃料をわざと受け取り拒否する。
内縁関係Bの対抗策は
賃料を支払う義務は発生しないが、上記対抗策として利害関係の第三者として「第三者弁済(民法474条)」をし、受取拒否に関しては「供託(民法494条)」をする。
結果「相続人&オーナーはBを追い出したいけど、Bが義務を果たしていたら追い出せない」でしょうか…
横から失礼いたしました。
2022.11.03 11:40
ざるそばさん
(No.6)
2022.11.03 17:10
あかさたなさん
(No.7)
ちょっと関連する判例等を探して読んでみようと思います。
2022.11.03 22:35
れふぃさん
(No.8)
>Aに相続人がいない場合は内縁関係だったBはAの賃借権を承継して
そもそも判例の話の前に原理原則の理解が足りていません。
相続は「血族・配偶者」にしか絶対に認められません、例外はナシです。
内縁の妻Bが被相続人Aの財産を承継するケースとしては、例えば、
①相続人不存在のケースで特別縁故者として認定されたケース
→スレ主さんの話に近い状況。
②遺言による贈与
→他に相続人がいる場合だと遺留分の問題が生じる可能性はあります。
ちょっとこれ以外に民法上、内縁の妻Bが財産承継できるケースが思い浮かびません。
おそらくこれだけじゃないかな?間違っていたらご指摘ください。
さて、ご質問のあった、
>Aの賃借権を承継して建物に住み続ける
これは前の方のご指摘のあった昭和42年判例、これは違います。
例えば前妻との子の法定相続人Cがいるような話でまた理論構成が変わります。
この辺りの理解としては「内縁の妻B」には相続権を認めるわけにはいかない(法律婚の制度趣旨は相続関係の明確化で趣旨を没却する)ですが、基本的に相続以外の話としては「純婚理論」と言って、通常の婚姻に近づけようと考えるんです。しかし、特定の状況下、例えばまさにご質問のケースなどで「Aがなくなったせいで家を追い出されるのはかわいそう」と考えるのが話の発端なんです。
既にあまりにも長くなったので端的に説明すると、
・相続人が存在するケース=最判昭和42.2.21にて処理。
・相続人が不存在のケース=借36にて立法がなされている。
で、ご指摘の、
>Bは家賃も払わずにぬくぬくと建物に居座る(S42判)
について、内縁の妻Bは亡Aの賃借権を相続しているのではなく、亡Aの相続人C(前妻との子)が賃借権を相続してしまうのです(内縁の妻に相続権が当然に認められるケースは日本に存在しない)。
Bからしてみれば「Aが亡くなった」という偶然の事情によって、不仲のC(仲が良ければAと婚姻できてる、内縁状態にとどまっていたのはCともめたから)から追い出されるのは酷なのです。
そこで、「援用(かわりに権利を使う、みたいな意味)」という理論を使って、内縁の妻Bは「相続人Cの賃借権を『援用』できる」としたのです。
賃貸借契約の当事者は亡Aの賃借人の地位を承継した相続人Cなので、大家に対して賃料の支払い義務が生じているのはCです。
もちろん不仲のCは払うわけありません。そうこうしているうちに不履行解除になるでしょう(法律がどうとかってより常識的に理解できるでしょう、賃料を払わない賃借人など法律は守りません)。
そこで、内縁の妻Bとしては「第三者弁済(474)」という手が使えます。
本来、払うべき債務者である相続人Cに代わって大家に賃料を払える、という意味です。
大家としても従前の賃料が入るし、まったく問題ありません。
結論としては、内縁の妻Bは相続人Cの代わりに賃料を払えば住み続けることができます(S42判例)。
2022.12.13 15:59
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