報酬関連-特別の依頼に基づき行った現地調査について

初心者さん
(No.1)
宅建試験初心者です。お手数ですがご教示お願い致します。

H30-31問では「空家等の報酬の特例」の対象となるかどうかで調査費用受領の可否がポイントとなっており、その対象の条件が何項目か挙げられています。

一方、
H25-37問の選択肢ウについては「特別の依頼に基づく現地調査に要した特別の費用」は事前承諾があれば違法ではないとありますが、特に対象条件等については触れられていません。
私は、この選択肢ウは、「空家等の報酬の特例」に照らし合わせて誤りと判断したのですが、回答では正でした。解説を読む限り事前承諾さえあれば現地調査費用は受領できるという風に受け取れます。


手元のテキストにはこの辺りの項目が見事に省略されていて
結局どういうケースで調査費が受領できるのか、できないのかよく分かりません。
問題文のどこがポイントとなるのでしょうか。

大変基本的な質問で恐縮ですが、よろしくお願いいたします。
2020.07.10 23:49
管理人
(No.2)
報酬告示第9では、

「宅地建物取引業者は、宅地又は建物の売買、交換又は貸借の代理又は媒介に関し、第2 から第8 までの規定によるほか、報酬を受けることができない。ただし、依頼者の依頼によって行う広告の料金に相当する額については、この限りでない。」

とし、依頼者の(特別の)依頼に基づき行う広告料金以外は、報酬告示の各限度額を超えて受領することはできないとしています。では、本問の「特別の依頼に基づく現地調査に要した特別の費用」の取扱いについてどうなるかというと、「宅建業法の解釈運用の考え方(P37 第46条第1項関係(8)②)」に、この規定については以下のように解釈すると規定されています。

「この規定には、宅地建物取引業者が依頼者の【特別の依頼により行う遠隔地における現地調査】や空家の特別な調査等に要する実費の費用に相当する額の金銭を依頼者から提供された場合にこれを受領すること等依頼者の特別の依頼により支出を要する特別の費用に相当する額の金銭で、その【負担について事前に依頼者の承諾があるもの】を別途受領することまでも禁止する趣旨は含まれていない。」

つまり、遠隔地の物件の調査等を行う特別の依頼であり、費用の負担について事前に依頼者の承諾があれば、報酬限度額とは別途受け取れることになります。H25-3ウは、両方の条件を満たしているので違反とはなりません。

一方、低廉な空き家等に係る報酬計算の特例では、通常と比較して現地調査等の費用を要するものについては、依頼主の依頼及び承諾の有無にかかわらず、現地調査等費用を上乗せできるという点が異なります(ただし、報酬総額は18万円+消費税以下でなければなりません)。

報酬告示
https://www.chiba-takken.or.jp/files/topics/data_fa4829b0434a311386c09a9d90f2e5ab_2.pdf
※1つ前のもので消費税率8%のままですが横書きで見やすいので

宅建業法解釈運用の考え方
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/content/001323352.pdf

解説にも上記の旨を追記させていただきます。
2020.07.11 10:52
管理人
(No.3)
×  ただし、報酬総額は18万円+消費税以下でなければなりません
〇  ただし、【媒介の場合の】報酬総額は「18万円+消費税」以下でなければなりません
2020.07.11 11:09
初心者さん
(No.4)
管理人様

早速のご返答ありがとうございます。

解説いただいた内容と添付していただいた資料を拝読し、かなり整理ができたかと思います。
(完璧に理解できました!と胸を張れないのが情けないのですが)

・特別の依頼により行う遠隔地における現地調査→依頼者からの自発的な働きかけにより発生した費用については別途受け取ることが出来る(顧客から依頼された追加の広告料と同様の考え)

・低廉な空き家等に係る報酬計算の特例→通常より多くかかった調査費用については条件を満たしたものに限り別途受け取ることが出来る(廉価な物件に対する手数料にコスト分を上乗せしてあげる=宅建業者応援的な意味合い?)

と解釈させていただきました。

上記踏まえて、管理人様が加筆下さったH30-31問の解説を拝見したところ、

(低廉な空家等)について、「依頼者からの依頼を受けて行う特別な現地調査を行った場合」、その実費を従前の報酬額に加算することができるようになりました。

と書かれていましたが、「」の部分はこちらのトピにご返答頂いた上記解説の

低廉な空き家等に係る報酬計算の特例では、通常と比較して現地調査等の費用を要するものについては、「依頼主の依頼及び承諾の有無にかかわらず」、現地調査等費用を上乗せできるという点が異なります

の「」の部分と相違するのではないかと感じるのですが、
それはまた意味合いが違うのでしょうか。

せっかくご丁寧に解説してくださっているのに呑み込みが悪くて申し訳ありません。
この点を今一度ご教示いただければ幸いです。
お忙しい中お手数をおかけいたしますが、よろしくお願いいたします。
2020.07.11 23:36
管理人
(No.5)
低廉な空き家等の報酬加算については、通常の売買又は交換の媒介と比較して現地調査等の費用を要するものであれば依頼者からの特別な依頼や承諾は不要ですので、H30-31問の解説は不適切ですね。

後日訂正させていただきます🙇🏻‍♂️
2020.07.13 14:19
初心者さん
(No.6)
管理人様

ご返答ありがとうございます。
お陰様で理解が深まりました。
色々と教えていただきありがとうございました。
今後もよろしくお願いします。
2020.07.13 22:04
管理人
(No.7)
H30-問31の解説について見直している時に、上記投稿に誤りがあることがわかったので訂正させていただきます。

空き家の報酬特例の場合は、依頼者からの事前承諾なしに報酬と加算できるとしていましたが、宅建業法解釈運用の考え方では以下のように規定しています。

「当該現地調査等に要する費用に相当する額」とは、人件費等を含むものであり、宅地建物取引業者は、媒介契約の締結に際し、あらかじめ報酬額について空家等の売主又は交換を行う者である依頼者に対して説明し、両者間で合意する必要がある。」

つまり、この特例の適用条件として契約時に、通常よりも現地調査等に要する費用が掛かる旨を依頼者に事前に説明し、同意を得ておく必要があるようです。H30-問31で「その旨を●に対し説明した上で」という文言が入っているのはこのためですね。

この点を踏まえて解説を見直しました。参考になれば幸いです。
  https://takken-siken.com/kakomon/2018/31.html
2020.07.14 12:09
初心者さん
(No.8)
管理人様

お世話になっております。
解説拝読いたしました。
分かりやすくご説明いただきありがとうございました。
もし試験でこの問題が出題されましたら間違わずに回答したいと思います。
今後もよろしくお願いいたします。
2020.07.15 19:32

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