宅建試験過去問題 令和7年試験 問50

問50

建物の構造と材料に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  1. 鋼材の素材の鋼は、鉄や炭素などの成分を含んでおり、炭素量が多いものほど、軟質で強度が小さい。
  2. 鋼材は、熱に弱く、さびやすいので、耐火や防錆の処理を施す必要がある。
  3. 鋼材は、強度が高く、粘りがあり、比較的小さな断面部材で荷重に耐えることができる。
  4. 鋼材の素材の鋼の密度は、木材やコンクリートに比べて大きい。

正解 1

問題難易度
肢166.2%
肢211.1%
肢312.5%
肢410.2%

解説

  1. [不適切]。鋼(はがね)は鉄を主成分とし、炭素を少量含む金属材料です。炭素量が増えるほど鋼は一般に硬く・強くなる一方、粘り強さは低下します。
  2. 適切。鋼は鉄を主成分とするため、約400~600℃で強度・剛性が大きく低下します。火災時に部材のたわみ・屈曲が生じやすいため、耐火被覆や耐火塗料で昇温を抑える設計が必要です。また、雨や湿気、海風などにさらされた鋼はさびて劣化するので、防錆処理が必要です。
  3. 適切。鋼は強度と粘り強さのバランスがよく、同じ荷重条件でも比較的細い柱や梁で受け持つことができます。
    靱性ともいう。壊れるまでにエネルギーを多く吸収できる度合い
  4. 適切。1cm3当たりの密度は、鋼が約7.85g、コンクリートは約2.4g、木材は約0.4g程度で、鋼が最も重い素材です。
したがって不適切な記述は[1]です。