宅建試験過去問題 平成19年試験 問32

問32

宅地建物取引業の免許(以下この問において「免許」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  1. Aが、競売により取得した宅地を10区画に分割し、宅地建物取引業者に販売代理を依頼して、不特定多数の者に分譲する場合、Aは免許を受ける必要はない。
  2. Bが、自己所有の宅地に自ら貸主となる賃貸マンションを建設し、借主の募集及び契約をCに、当該マンションの管理業務をDに委託する場合、Cは免許を受ける必要があるが、BとDは免許を受ける必要はない。
  3. 破産管財人が、破産財団の換価のために自ら売主となって、宅地又は建物の売却を反復継続して行い、その媒介をEに依頼する場合、Eは免許を受ける必要はない。
  4. 不特定多数の者に対し、建設業者Fが、建物の建設工事を請け負うことを前提に、当該建物の敷地に供せられる土地の売買を反復継続してあっせんする場合、Fは免許を受ける必要はない。

正解 2

問題難易度
肢15.9%
肢278.6%
肢36.7%
肢48.8%

解説

  1. 誤り。競売により取得した宅地を10区画に分割し販売する行為は、転売目的であり事業性が高いため、業に該当すると判断できます。代理の効果は本人に帰属するため、売買の代理を依頼するときは、依頼者本人にも宅地建物取引業の免許が必要です。
  2. [正しい]。記述のとおりCだけが免許を受ける必要があります。
    • B … 自ら貸主として自己所有の賃貸マンションの貸借の媒介を依頼しているだけなので、免許は不要となります。
    • C … Bから借主の募集と契約を依頼されているので、宅地建物取引業の免許が必要です。
    • D … Bから依頼を受けてマンションの管理業務をすることはマンション管理業であり、宅地建物取引業には該当しません。よって、Dは免許不要です。
  3. 誤り。破産管財人が財産の処分及び配分のために行う宅地建物の取引は、破産法に基づく行為として裁判所の監督の下に行われるため宅地建物取引業の免許は不要となります(解釈運用-第2条第2号関係)。ただし、破産管財人から売買の媒介や代理を依頼された宅地建物取引業者Eは免許を受ける必要があります。
    破産管財人は、破産財団の管理処分権を有し、裁判所の監督の下にその職務として財産の処分及び配分を行うものであり、破産財団の換価のために自らの名において任意売却により宅地又は建物の取引を反復継続的に行うことがあるが、当該行為は、破産法に基づく行為として裁判所の監督の下に行われるものであることにかんがみ、法第2条2号にいう「業として行なうもの」には該当せず、当該行為を行うに当たり法第3条第1項の免許を受けることを要さないものとする。
  4. 誤り。建築業者であれば、宅地建物取引業の免許を受けなくてもよいという例外はありません。土地の売買を反復継続してあっせんする場合は、事業性が高いので免許が必要となります。
したがって正しい記述は[2]です。