不当景品類及び不当表示防止法(全25問中22問目)

No.22

宅地建物取引業者が行う広告に関する次の記述のうち、不当景品類及び不当表示防止法(不動産の表示に関する公正競争規約を含む。)の規定によれば、正しいものはどれか。
平成15年試験 問47
  1. 未完成建売住宅を販売する場合、建築確認を受けていなくても、現に確認を申請中であれば、「建築条件付き宅地分譲」と表示して広告することができる。
  2. 各種施設までの徒歩による所要時間を表示する場合は、直線距離80mにつき1分間を要するものとして算出した数値を表示し、また、1分未満の端数が生じたときは1分間として計算して表示しなければならない。
  3. 中古住宅を販売する場合、当該住宅が建築後1年未満のものであれば、実際に販売する価格よりも高い新築時の販売価格を、実際に販売する価格に併記して表示することができる。
  4. 広告においてLDK(リビング・ダイニング・キッチン)という文言を用いる場合は、その部屋が居間、食事室兼台所として使用するために必要な広さ及び機能を有しているという意味で用いなければならない。

正解 4

問題難易度
肢16.6%
肢234.6%
肢34.4%
肢454.4%

解説

  1. 誤り。完成前の物件の販売する場合、都市計画法の開発許可や建築基準法の建築確認等、宅建業法33条で定める許可等の処分を受ける前は広告をすることができません(表示規約5条)。未完成の建物の場合、建築確認を受けた(確認済証の交付を受けた)後でなければ広告することはできません。本肢は建築確認の申請中ですから、広告することはできません。
    事業者は、宅地の造成又は建物の建築に関する工事の完了前においては、宅建業法第33条に規定する許可等の処分があった後でなければ、当該工事に係る宅地又は建物の内容又は取引条件その他取引に関する広告表示をしてはならない。
  2. 誤り。各種施設までの徒歩による所要時間を表示する場合は、道路距離80mにつき1分間を要するものとして算出する必要があります(表示規約規則9条(9))。本肢は「直線距離」としているので誤りです。なお、1分未満の端数を切り上げるという処理は適切です。
    徒歩による所要時間は、道路距離80メートルにつき1分間を要するものとして算出した数値を表示すること。この場合において、1分未満の端数が生じたときは、1分として算出すること。
  3. 誤り。過去の販売価格を比較対照価格とする二重価格表示をするためには、下記の条件全てを満たさなくてはなりません(表示規約規則12条)。
    1. 過去の販売価格の公表日及び値下げした日を明示すること
    2. 比較対照価格に用いる過去の販売価格は、値下げの直前の価格であって、値下げ前2か月以上にわたり実際に販売のために公表していた価格であること
    3. 値下げの日から6か月以内に表示するものであること
    4. 過去の販売価格の公表日から二重価格表示を実施する日まで物件の価値に同一性が認められるものであること
    5. 土地又は建物について行う表示であること
    本肢の事例は、中古となった住宅の販売について新築住宅の販売価格を比較対照価格に用いているので④の条件に違反します。よって、このような表示をすることはできません。
  4. [正しい]。広告にLDK(リビング・ダイニング・キッチン)という文言を用いる場合、その1室が居間(リビング)と台所(キッチン)と食堂(ダイニング)として使用するために必要な広さ、経常及び機能を有しているという意味で用いる必要があります(表示規約18条1項(4))。なお、DK(ダイニング・キッチン)は、台所と直動の機能が一室に併存している部屋を指します。
    リビング・ダイニング・キッチン(LDK)
    居間と台所と食堂の機能が1室に併存する部屋をいい、住宅の居室(寝室)数に応じ、その用途に従って使用するために必要な広さ、形状及び機能を有するものをいう。
したがって正しい記述は[4]です。