不当景品類及び不当表示防止法(全27問中21問目)

No.21

宅地建物取引業者が行う広告に関する次の記述のうち、不当景品類及び不当表示防止法(不動産の表示に関する公正競争規約を含む。)の規定によれば、正しいものはどれか。
平成18年試験 問47
  1. 新築分譲マンションの名称に公園、庭園、旧跡その他の施設の名称を使用する場合には、当該物件がこれらの施設から最短の道路距離で300m以内に所在していなければならない。
  2. 市街化調整区域内に所在する土地を販売する際の新聞折込広告においては、市街化調整区域に所在する旨を16ポイント以上の大きさの文字で表示すれば、宅地の造成や建物の建築ができない旨を表示する必要はない。
  3. 新築分譲住宅の広告において物件及びその周辺を写した写真を掲載する際に、当該物件の至近に所在する高圧電線の鉄塔を消去する加工を施した場合には、不当表示に該当する。
  4. 分譲マンションを販売するに当たり、当該マンションが、何らかの事情により数年間工事が中断された経緯があったとしても、住居として未使用の状態で販売する場合は、着工時期及び中断していた期間を明示することなく、新築分譲マンションとして広告することができる。

正解 3

問題難易度
肢110.5%
肢25.3%
肢379.6%
肢44.6%

解説

  1. 誤り。物件の名称に公園、庭園、旧跡その他の施設、又は海(海岸)、湖沼、河川の岸、堤防の名称を使用する場合には、当該物件がこれらの施設からの直線距離で300m以内に所在していなければなりません(表示規約19条1項(3))。本肢は「道路距離」としているので誤りです。
    当該物件が公園、庭園、旧跡その他の施設又は海(海岸)、湖沼若しくは河川の岸若しくは堤防から直線距離で300メートル以内に所在している場合は、これらの名称を用いることができる。
    有名な旧跡から直線距離で1,100mの地点に所在する新築分譲マンションの名称に当該旧跡の名称を用いることができる。R3⑫-47-2
  2. 誤り。市街化調整区域内に所在する土地の広告においては、「市街化調整区域。宅地の造成及び建物の建築はできません」という文言そのままを、16ポイント以上の大きさの文字で表示する必要があります(表示規約規則7条(6))。この表示は前述の決められた文言により表示する必要があるので、所在する旨だけを表示する本件は不当表示となります。
    都市計画法第7条に規定する市街化調整区域に所在する土地については、「市街化調整区域。宅地の造成及び建物の建築はできません。」と明示すること(新聞折込チラシ等及びパンフレット等の場合には16ポイント以上の大きさの文字を用いること。)。
    宅地の造成及び建物の建築が禁止されており、宅地の造成及び建物の建築が可能となる予定がない市街化調整区域内の土地を販売する際の新聞折込広告においては、当該土地が市街化調整区域内に所在する旨を16ポイント以上の大きさの文字で表示すれば、宅地の造成や建物の建築ができない旨まで表示する必要はない。H28-47-2
  3. [正しい]。広告に物件の眺望や景観を示す写真等を掲載するとき、事実と異なるもの、実際よりも優良であると誤認させるものを使うことはできません(表示規約23条(43))。よって、鉄塔を消去した写真を使うことは不当表示に該当します。
    物件からの眺望若しくは景観又は物件を中心とした眺望若しくは景観を示す写真、動画、絵図又はコンピュータグラフィックスによる表示であって、事実に相違する表示又は実際のものよりも優良であると誤認されるおそれのある表示
  4. 誤り。新築住宅や新築分譲マンションの広告では、建築工事の着手後に何らかの事情により相当の期間にわたり建築工事が中断されていた場合には、建築工事に着手した時期と中断していた期間を明示する必要があります(表示規約規則7条(14))。
    建築工事に着手した後に、同工事を相当の期間にわたり中断していた新築住宅又は新築分譲マンションについては、建築工事に着手した時期及び中断していた期間を明示すること。
    建築工事に着手した後に、その工事を相当の期間にわたり中断していた新築分譲マンションについては、建築工事に着手した時期及び中断していた期間を明瞭に表示しなければならない。H26-47-4
したがって正しい記述は[3]です。