監督処分・罰則(全19問中8問目)
No.8
宅地建物取引業法の規定に基づく監督処分等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、宅地建物取引業者の相手方は宅地建物取引業者ではないものとする。平成27年試験 問43
- 宅地建物取引業者A(甲県知事免許)は、自ら売主となる乙県内に所在する中古住宅の売買の業務に関し、当該売買の契約においてその住宅の種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任を負わない旨の特約を付した。この場合、Aは、乙県知事から指示処分を受けることがある。
- 甲県に本店、乙県に支店を設置する宅地建物取引業者B(国土交通大臣免許)は、自ら売主となる乙県内におけるマンションの売買の業務に関し、乙県の支店において当該売買の契約を締結するに際して、代金の30%の手付金を受領した。この場合、Bは、甲県知事から著しく不当な行為をしたとして、業務停止の処分を受けることがある。
- 宅地建物取引業者C(甲県知事免許)は、乙県内に所在する土地の売買の媒介業務に関し、契約の相手方の自宅において相手を威迫し、契約締結を強要していたことが判明した。この場合、甲県知事は、情状が特に重いと判断したときは、Cの宅地建物取引業の免許を取り消さなければならない。
- 宅地建物取引業者D(国土交通大臣免許)は、甲県内に所在する事務所について、業務に関する帳簿を備えていないことが判明した。この場合、Dは、甲県知事から必要な報告を求められ、かつ、指導を受けることがある。
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正解 2
問題難易度
肢114.2%
肢250.5%
肢318.6%
肢416.7%
肢250.5%
肢318.6%
肢416.7%
分野
科目:5 - 宅地建物取引業法等細目:11 - 監督処分・罰則
解説
- 正しい。宅地建物取引業者が自ら売主となり、買主が業者以外である売買契約では、契約不適合に係る通知期間を2年以上とする場合を除き、民法の契約不適合責任の規定よりも買主に不利な特約をすることはできないので、業者が契約不適合責任を負わない特約をすることはできません。
宅建業法に違反したことは指示処分の事由となり、指示処分は、免許権者だけでなく、業務地の都道府県知事もすることができます。本肢は「乙県内に所在する中古住宅の売買の業務」に関する違反ですから、Aは業務地を所轄する乙県知事から指示処分を受けることがあります(宅建業法65条3項)。 - [誤り]。宅地建物取引業者が、宅地建物取引業に関し不正又は著しく不当な行為をしたときは業務停止処分の対象となります。しかし、宅地建物取引業者Bは国土交通大臣免許であり、業務地は乙県ですので、甲県知事は何ら処分権限を持ちません。したがって、甲県知事から業務停止処分を受けることはありません。
- 正しい。宅地建物取引業者が、契約を締結させ、または契約の申込みの撤回・解除を妨げるため、宅地建物取引業者の相手方等を威迫することは禁止されています(宅建業法47条の2第2項)。この規定に違反した場合、免許権者や業務地の都道府県知事は、業務停止処分をすることができます(宅建業法65条2項、同条4項2号)。さらに、業務停止処分の情状が特に重いときには、免許権者は免許を取り消さなければなりません(宅建業法66条1項9号)。
本肢は、業務停止事由である「威迫」+「情状が特に重い」というケースなので、免許権者である甲県知事は、Cの免許を取り消さなければなりません。 - 正しい。国土交通大臣はすべての宅地建物取引業者に対して、都道府県知事は当該都道府県の区域内で宅地建物取引業を営む宅地建物取引業者に対して、必要な指導、助言、勧告、業務について必要な報告を求めること、事務所等への立入検査をすることができます(宅建業法71条、宅建業法72条1項)。よって、Dは事務所が所在する甲県の知事から報告を求められることや指導を受けることがあります。国土交通大臣は、すべての宅地建物取引業者に対して、宅地建物取引業の適正な運営を確保するため必要な指導、助言及び勧告をすることができる。(H23-44-1)国土交通大臣は、宅地建物取引業者A(甲県知事免許)に対し、宅地建物取引業の適正な運営を確保するため必要な勧告をしたときは、遅滞なく、その旨を甲県知事に通知しなければならない。(H22-44-1)国土交通大臣は、宅地建物取引業者B(乙県知事免許)に対し宅地建物取引業の適正な運営を確保し、又は健全な発達を図るため必要な指導、助言及び勧告をすることができる。(H21-45-3)国土交通大臣は、Aに対し宅地建物取引業の適正な運営を確保し、又は健全な発達を図るため必要な指導、助言及び勧告をすることはあっても、Aの免許を取り消すことはできない。(H12-43-2)
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