35条書面(全64問中14問目)

No.14

宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項の説明における水防法施行規則第11条第1号の規定により市町村(特別区を含む。以下この問において同じ。)の長が提供する図面(以下この問において「水害ハザードマップ」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、説明の相手方は宅地建物取引業者ではないものとする。
令和3年10月試験 問33
  1. 宅地建物取引業者は、市町村が、取引の対象となる宅地又は建物の位置を含む水害ハザードマップを作成せず、又は印刷物の配布若しくはホームページ等への掲載等をしていないことを確認できた場合は、重要事項説明書にその旨記載し、重要事項説明の際に提示すべき水害ハザードマップが存在しない旨を説明すればよい。
  2. 宅地建物取引業者は、市町村が取引の対象となる宅地又は建物の位置を含む「洪水」、「雨水出水(内水)」、「高潮」の水害ハザードマップを作成している場合、重要事項説明の際にいずれか1種類の水害ハザードマップを提示すればよい。
  3. 宅地建物取引業者は、市町村が取引の対象となる宅地又は建物の位置を含む水害ハザードマップを作成している場合、売買又は交換の媒介のときは重要事項説明の際に水害ハザードマップを提示しなければならないが、貸借の媒介のときはその必要はない。
  4. 宅地建物取引業者は、市町村が取引の対象となる宅地又は建物の位置を含む水害ハザードマップを作成している場合、重要事項説明書に水害ハザードマップを添付すれば足りる。

正解 1

問題難易度
肢181.9%
肢23.9%
肢34.8%
肢49.4%

解説

「水害ハザードマップ」の重要事項説明は、令和2年7月の宅建業法施行規則改正により新たに追加された事項です。改正内容については、当サイトの法令・制度改正情報の2021年(令和3年)「水害ハザードマップに関する重説」をご覧になってください。
  1. [正しい]。市町村に照会し、当該市町村が取引の対象となる宅地又は建物の位置を含む水害ハザードマップの全部又は一部を作成せず、又は印刷物の配布若しくはホームページ等への掲載等をしていないことが確認された場合は、その照会をもって調査義務を果たしたことになります。この場合は、提示すべき水害ハザードマップが存しない旨の説明を行う必要があります。
  2. 誤り。本説明義務は、取引の対象となる宅地又は建物の位置を含む水害ハザードマップを、洪水・内水・高潮のそれぞれについて提示し、当該宅地又は建物の概ねの位置を示すことにより行います。いずれか1つではなく、3つすべてを提示して説明しなければならないので誤りです。
  3. 誤り。水害ハザードマップに関する説明は、宅地・建物、売買・交換・貸借を問わず必要です(宅建業法規則16条の4の3第3号の2)。
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    建物の貸借の媒介を行う場合、水防法施行規則第11条第1号の規定により市町村の長が提供する水害ハザードマップに当該建物の位置が含まれているときは、その所在地を示して説明しなければならない。R6-37-ア
    賃貸借契約において、取引対象となる宅地又は建物が、水防法施行規則第11条第1号の規定により市町村(特別区を含む。)の長が提供する図面に当該宅地又は建物の位置が表示されている場合には、当該図面における当該宅地又は建物の所在地を説明しなければならない。R3⑫-44-ア
  4. 誤り。重要事項説明の際には水害ハザードマップを提示し、当該宅地又は建物の概ねの位置を示さなければなりません。水害ハザードマップを添付するだけでは足りません。
したがって正しい記述は[1]です。

参考資料:水害ハザードマップの重説記載例
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