不動産鑑定評価基準 (全9問中7問目)

No.7

不動産の鑑定評価に関する次の記述のうち、不動産鑑定評価基準によれば、誤っているものはどれか。
出典:平成17年試験 問29
  1. 不動産の鍛定評価によって求める価格は、基本的には正常価格であり、正常価格とは、市場性を有する不動産について、現実の社会経済情勢の下で合理的と考えられる条件を満たす市場で形成されるであろう市場価値を表示する適正な価格をいう。
  2. 資産の流動化に関する法律に基づく評価目的の下で、投資家に示すための投資採算価値を表す価格を求める場合は、正常価格ではなく、特定価格として求めなければならない。
  3. 取引事例比較法における取引事例は、地域要因の比較を不要とするため、近隣地域に存する不動産に係るもののうちから選択しなければならない。
  4. 収益価格を求める方法には、直接還元法とDCF(Discounted Cash Flow)法とがあるが、不動産の証券化に係る鑑定評価で毎期の純収益の見通し等について詳細な説明が求められる場合には、DCF法の適用を原則とする。

正解 3

解説

  1. 正しい。不動産の鍛定評価によって求める価格は、基本的には正常価格です。正常価格とは、市場性を有する不動産について、現実の社会経済情勢の下で合理的と考えられる条件を満たす市場で形成されるであろう市場価値を表示する適正な価格をいいます(不動産鑑定評価基準総論第5章第3節Ⅰ1)。
  2. 正しい。証券化対象不動産の価格に関する鑑定評価を目的とする場合において、投資家に示すための投資採算価値を表す価格を求める場合は、正常価格ではなく、特定価格として求めなければなりません(不動産鑑定評価基準総論第5章第3節Ⅰ3)。
  3. [誤り]。取引事例比較法における取引事例は、「近隣地域または同一受給圏内の類似地域」の存する不動産のうちから選択するものとされています。近隣地域に存する不動産ではありません(不動産鑑定評価基準総論第7章第1節Ⅲ2(1))。
  4. 正しい。収益価格を求める方法には、直接還元法とDCF法とがあります。2つの方法のどちらを適用するかについては、案件ごとに異なりますが、証券化対象不動産に係る鑑定評価で毎期の純収益の見通し等について詳細な説明が求められる場合には、DCF法の適用を原則とします。DCF法により求めた試算価格を標準とし、直接還元法による検証を行って求めた収益価格に基づき、比準価格及び積算価格による検証を行い鑑定評価額を決定するとされています(不動産鑑定評価基準総論第1章第4節Ⅰ)。
したがって誤っている記述は[3]です。