建築基準法(全55問中12問目)

No.12

次の記述のうち、建築基準法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、誤っているものはどれか。
令和2年12月試験 問18
  1. 建築物の壁又はこれに代わる柱は、地盤面下の部分又は特定行政庁が建築審査会の同意を得て許可した歩廊の柱その他これに類するものを除き、壁面線を越えて建築してはならない。
  2. 特別用途地区内においては、地方公共団体は、その地区の指定の目的のために必要と認める場合は、国土交通大臣の承認を得て、条例で、法第48条第1項から第13項までの規定による用途制限を緩和することができる。
  3. 都市計画により建蔽率の限度が10分の8と定められている準工業地域においては、防火地域内にある耐火建築物については、法第53条第1項から第5項までの規定に基づく建蔽率に関する制限は適用されない。
  4. 田園住居地域内の建築物に対しては、法第56条第1項第3号の規定(北側斜線制限)は適用されない。

正解 4

問題難易度
肢16.8%
肢215.2%
肢320.5%
肢457.5%

解説

  1. 正しい。壁面線とは、道路境界線から一定の距離を後退したところに引かれる線で、街区内における建物の位置を整え環境の向上を図るために指定されます(建築基準法46条1項)。壁面線が指定されたときには、その線を越えて建物の壁等・柱・高さ2mを超える門や塀を建築することができません。ただし、①地盤面下の部分と②特定行政庁が建築審査会の同意を得て許可した歩廊の柱等については、例外的に壁面線を越えて建築できるとされています(建築基準法47条)。
    特定行政庁は、街区内における建築物の位置を整えその環境の向上を図るために必要があると認める場合においては、建築審査会の同意を得て、壁面線を指定することができる。この場合においては、あらかじめ、その指定に利害関係を有する者の出頭を求めて公開による意見の聴取を行わなければならない。
    建築物の壁若しくはこれに代る柱又は高さ二メートルをこえる門若しくはへいは、壁面線を越えて建築してはならない。ただし、地盤面下の部分又は特定行政庁が建築審査会の同意を得て許可した歩廊の柱その他これに類するものについては、この限りでない。
  2. 正しい。特別用途地区は、用途地域の指定を補完するための建築制限や緩和を定める地域です。特別用途地区内において必要があると認められる場合、地方公共団体は、国土交通大臣の承認を得て、条例で、用途地域内の建築物の制限を緩和することができます(建築基準法49条2項)。
    特別用途地区内においては、地方公共団体は、その地区の指定の目的のために必要と認める場合においては、国土交通大臣の承認を得て、条例で、前条第一項から第十三項までの規定による制限を緩和することができる。
    特別用途地区内においては、地方公共団体は、国土交通大臣の承認を得て、条例で、法第48条の規定による建築物の用途制限を緩和することができる。H26-18-3
    特別用途地区内においては、地方公共団体は、その地区の指定の目的のために必要と認める場合においては、国土交通大臣の承認を得て、条例で、法第48条の規定による建築物の用途制限を緩和することができる。H21-19-4
  3. 正しい。防火地域であり、かつ、都市計画で定められた指定建蔽率が80%である地域内に耐火建築物を建築する場合には、建蔽率の制限は適用されません。つまり、敷地面積の100%まで建築面積にできるということです(建築基準法53条6項1号)。なお、準工業地域は、都市計画で5/10、6/10、8/10のいずれかの建蔽率を定めることになっています。
    前各項の規定は、次の各号のいずれかに該当する建築物については、適用しない。
    一 防火地域(第一項第二号から第四号までの規定により建蔽率の限度が十分の八とされている地域に限る。)内にある耐火建築物等
    都市計画で建蔽率の限度が80%に指定されている区域かつ防火地域内にある耐火建築物について、建蔽率の限度を超えるためには、特定行政庁による許可を得る必要がある。R6-18-4
    建ぺい率の限度が80%とされている防火地域内にある耐火建築物については、建ぺい率による制限は適用されない。H20-20-1
  4. [誤り]。北側斜線制限は、第一種・第二種低層住居専用地域、田園住居地域、第一種・第二種中高層住居専用地域の5つの用途地域に適用されます。
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したがって誤っている記述は[4]です。