家族法 (全24問中1問目)

No.1

親族に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
令和2年12月試験 問3
  1. 姻族関係は、離婚した場合及び夫婦の一方が死亡した場合、当然に終了する。
  2. 離婚に当たり、相手方に有責不法の行為がなければ、他の一方は、相手方に対して財産の分与を請求することができない。
  3. 未成年者に対して親権を行う者がないときは、家庭裁判所は、検察官の請求によって、親族の中から未成年後見人を選任する。
  4. 夫婦間で婚姻の届出前に別段の契約をしなかった場合、夫婦のいずれに属するか明らかでない財産は、その共有に属するものと推定される。

正解 4

問題難易度
肢19.6%
肢24.7%
肢318.0%
肢467.7%

解説

  1. 誤り。結婚すると、結婚相手の3親等以内の親族との間に親族関係が生じます。これが「姻族関係」です(民法725条3号)。姻族関係は離婚により終了しますが、死別のときは終了しません。死別の場合、生存配偶者が「姻族関係終了届」を市区町村に提出すれば姻族関係を終了できるようになっています(民法728条)。
    次に掲げる者は、親族とする。
    一 六親等内の血族
    二 配偶者
    三 三親等内の姻族
    姻族関係は、離婚によって終了する。
    2 夫婦の一方が死亡した場合において、生存配偶者が姻族関係を終了させる意思を表示したときも、前項と同様とする。
  2. 誤り。離婚をした者は、相手に財産分与を求めることができます(民法768条1項)。離婚時の財産分与請求権には、夫婦で築いた財産の精算、慰謝料等の損害賠償、離婚後の生活扶養の3つの要素があり、慰謝料については相手方に有責不法の行為がなければ請求できませんが、それ以外の2つについては相手方の有責を問わず、当然の権利として請求できます(最判昭32.2.21)。
    協議上の離婚をした者の一方は、相手方に対して財産の分与を請求することができる。
    離婚の場合に離婚した者の一方が相手方に対して有する財産分与請求権は、必ずしも相手方に離婚につき有責不法の行為のあつたことを要件とするものではない。
  3. 誤り。未成年後見人の選任方法には以下の2つがあります。
    1. 最後の親権者が遺言で指定する
    2. 家庭裁判所が選任する
    未成年者に対して親権を行う者がないときは、家庭裁判所は、未成年被後見人またはその親族その他の利害関係人の請求により(または職権で)未成年後見人を選任します(民法840条1項)。請求ができる利害関係人は「児童相談所長や里親等」に限られており、検察官が請求をすることはできません。また、必ずしも親族の中から選ばれるとも限りません。
    前条の規定により未成年後見人となるべき者がないときは、家庭裁判所は、未成年被後見人又はその親族その他の利害関係人の請求によって、未成年後見人を選任する。未成年後見人が欠けたときも、同様とする。
  4. [正しい]。夫婦財産契約等で財産の帰属を定めている場合を除き、婚姻中に取得し、夫婦のいずれに属するか明らかでない財産は、夫婦の共有に属するものと推定されます(民法762条2項)。ただし、完全な共有ではなく内部的な(あるいは潜在的な)共有状態とされます。なお、夫婦一方の名義になっている不動産や、夫婦の一方だけが働きにでて得た収入も原則として夫婦の共有財産となります。
    夫婦のいずれに属するか明らかでない財産は、その共有に属するものと推定する。
したがって正しい記述は[4]です。