不動産登記法(全27問中21問目)
No.21
不動産登記の申請に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。平成18年試験 問15
- 権利に関する登記の申請は、法令に別段の定めがある場合を除き、登記権利者及び登記義務者が共同してしなければならない。
- 信託の登記の申請は、当該信託による権利の移転又は保存若しくは設定の登記の申請と同時にしなければならない。
- 表題部に所有者として記録されている者の相続人は、所有権の保存の登記を申請することができる。
- 同一の登記所の管轄区域内にある二以上の不動産について申請する登記原因及びその日付が同一である場合には、登記の目的が異なるときであっても、一つの申請情報で申請することができる。
広告
正解 4
問題難易度
肢113.8%
肢211.0%
肢39.6%
肢465.6%
肢211.0%
肢39.6%
肢465.6%
分野
科目:1 - 権利関係細目:17 - 不動産登記法
解説
- 正しい。権利に関する登記は、登記権利者(権利を得る者)及び登記義務者(権利を失う者・権利を制限される者)が共同して申請することが原則です(不動産登記法60条)。例外として単独申請できるのは、登記を命じる確定判決、相続その他一般承継、信託の登記、登記義務者の承諾がある場合の仮登記などです。
権利に関する登記の申請は、法令に別段の定めがある場合を除き、登記権利者及び登記義務者が共同してしなければならない。
遺贈(相続人に対する遺贈を除く)を登記原因とする所有権の移転の登記は、遺言執行者が指定されているか否かにかかわらず、登記権利者及び登記義務者が共同してしなければならない。(H19-16-4) - 正しい。信託は、自分の持っている財産を別の人に預けて(所有者を名義上移して)運用・管理・処分してもらう契約です。信託財産に不動産が含まれるときに分別管理及び信託契約の内容の記録のために、信託の登記を行わなければなりません(信託法34条1項)。
信託の登記の申請は、当該信託に係る権利の保存、設定、移転又は変更の登記の申請と同時にしなければなりません(不動産登記法98条1項)。信託の登記の申請は、当該信託に係る権利の保存、設定、移転又は変更の登記の申請と同時にしなければならない。
信託の登記の申請は、当該信託に係る権利の保存、設定、移転又は変更の登記の申請と同時にしなければならない。(H26-14-3) - 正しい。表題部所有者が死亡して相続が開始した場合や、表題部所有者である法人が合併消滅した場合には、その相続人や存続法人は、直接所有権の保存の登記を申請することができます(不動産登記法74条1項1号)。これらの者は被承継者の権利をそのまま引き継ぐため、法律上表題部所有者と同一視できるからです。
所有権の保存の登記は、次に掲げる者以外の者は、申請することができない。
一 表題部所有者又はその相続人その他の一般承継人
二 所有権を有することが確定判決によって確認された者
三 収用によって所有権を取得した者表題部所有者であるAから土地を買い受けたBは、Aと共同してBを登記名義人とする所有権の保存の登記の申請をすることができる。(H19-16-1)所有権の登記がされていない建物について、その所有権が自己にあることを確定判決によって証明できる者は、当該建物の所有権保存の登記を申請することができる。(H12-14-1)土地の登記簿の表題部に被相続人が所有者として記載されている場合において、その相続人が複数あるときは、共同相続人の1人は、自己の持分についてのみ所有権保存の登記を申請することができる。(H12-14-2)土地収用法による収用によって土地の所有権を取得した者は、直接自己名義に当該土地の所有権保存の登記を申請することができる。(H12-14-3) - [誤り]。登記の申請は、登記の目的と登記原因に応じて、不動産ごとに行わなくてはなりません。ただし、申請先の登記所が管轄する区域内にある2つ以上の不動産について①登記の目的、②登記原因、③日付が同一であるときは1つの登記申請にまとめることができます(不動産登記令4条)。これを「一括申請」といいます。
例えば、住所変更により土地と建物の所有者住所を変更するとき、土地と建物をまとめて同一人から購入したとき、同一債務の担保のため土地と建物の両方に抵当権を設定するときなどです。その他、分筆した土地を他の土地に合筆するときなど一括申請できるケースは多岐にわたります。申請情報は、登記の目的及び登記原因に応じ、一の不動産ごとに作成して提供しなければならない。ただし、同一の登記所の管轄区域内にある二以上の不動産について申請する登記の目的並びに登記原因及びその日付が同一であるときその他法務省令で定めるときは、この限りでない。
広告
広告