不動産登記法(全27問中17問目)

No.17

不動産の登記事項証明書の交付の請求に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
平成22年試験 問14
  1. 登記事項証明書の交付を請求する場合は、書面をもって作成された登記事項証明書の交付のほか、電磁的記録をもって作成された登記事項証明書の交付を請求することもできる。
  2. 登記事項証明書の交付を請求するに当たり、請求人は、利害関係を有することを明らかにする必要はない。
  3. 登記事項証明書の交付を請求する場合は、登記記録に記録されている事項の全部が記載されたもののほか、登記記録に記録されている事項のうち、現に効力を有するもののみが記載されたものを請求することもできる。
  4. 送付の方法による登記事項証明書の交付を請求する場合は、電子情報処理組織を使用して請求することができる。

正解 1

問題難易度
肢153.7%
肢210.9%
肢319.2%
肢416.2%

解説

  1. [誤り]。登記事項証明書は、書面としての交付のみ請求でき、電磁的記録(PDFやテキストファイルなどのデジタルデータ)での交付を請求することはできません(不動産登記法119条1項)。登記事項証明書の交付請求は、インターネット経由ですることができますが、電子的な登記事項証明書をダウンロードできるわけではなく、書面を郵送か法務局の窓口で受け取ることになります。
    勘違いしやすいのが登記情報の「閲覧」を行える登記情報提供サービスで、このサービスでは閲覧した情報をPDFでダウンロードすることができるのですが、このデータには証明文や登記官の職印等が付加されていないので証明書ではありません。
    何人も、登記官に対し、手数料を納付して、登記記録に記録されている事項の全部又は一部を証明した書面(以下「登記事項証明書」という。)の交付を請求することができる。
    登記事項証明書の交付の請求は、利害関係を有することを明らかにすることなく、することができる。H27-14-1
    登記事項証明書の交付を請求するに当たり、請求人は、利害関係を有することを明らかにする必要はない。H22-14-2
  2. 正しい。条文の「何人も」で示されているように、登記事項証明書の交付請求は、不動産の利害関係者でなくても誰でも行うことができます(不動産登記法119条1項)。
    何人も、登記官に対し、手数料を納付して、登記記録に記録されている事項の全部又は一部を証明した書面(以下「登記事項証明書」という。)の交付を請求することができる。
    登記事項証明書の交付の請求は、利害関係を有することを明らかにすることなく、することができる。H27-14-1
    登記事項証明書の交付を請求する場合は、書面をもって作成された登記事項証明書の交付のほか、電磁的記録をもって作成された登記事項証明書の交付を請求することもできる。H22-14-1
  3. 正しい。登記事項証明書には、履歴を含めて記録事項の全部を記載した全部事項証明書、現に効力を有する記録事項だけを記載した現在事項証明書、甲区や乙区だけというように権利部の相当区の記録事項を記載した何区何番事項証明書などの種類があります。登記記録に記録されている事項のうち現に効力を有するものだけを記載したもの(現在事項証明書)を請求することもできます(不動産登記規則196条1項2号)。
    登記事項証明書の記載事項は、次の各号の種類の区分に応じ、当該各号に掲げる事項とする。

    二 現在事項証明書 登記記録に記録されている事項のうち現に効力を有するもの
  4. 正しい。登記事項証明書の交付請求は、窓口に交付申請書を提出する方法のほか、電子情報処理組織(インターネットに接続されたコンピュータ)を使用して行うこともできます(不動産登記規則194条3項)。インターネット上の「登記・供託オンライン申請システム」が受付窓口になっています。
    登記事項証明書の交付の請求は、前二項の方法のほか、法務大臣の定めるところにより、請求情報を電子情報処理組織を使用して登記所に提供する方法によりすることができる。この場合において、登記事項証明書を登記所で受領しようとするときは、その旨を請求情報の内容としなければならない。
したがって誤っている記述は[1]です。