条件・期間・時効(全17問中14問目)
No.14
Aは、Bとの間で、A所有の山林の売却について買主のあっせんを依頼し、その売買契約が締結され履行に至ったとき、売買代金の2%の報酬を支払う旨の停止条件付きの報酬契約を締結した。この契約において他に特段の合意はない。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。平成18年試験 問3
- あっせん期間が長期間に及んだことを理由として、Bが報酬の一部前払を要求してきても、Aには報酬を支払う義務はない。
- Bがあっせんした買主Cとの間でAが当該山林の売買契約を締結しても、売買代金が支払われる前にAが第三者Dとの間で当該山林の売買契約を締結して履行してしまえば、Bの報酬請求権は効力を生ずることはない。
- 停止条件付きの報酬契約締結の時点で、既にAが第三者Eとの間で当該山林の売買契約を締結して履行も完了していた場合には、Bの報酬請求権が効力を生ずることはない。
- 当該山林の売買契約が締結されていない時点であっても、Bは停止条件付きの報酬請求権を第三者Fに譲渡することができる。
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正解 2
問題難易度
肢17.1%
肢255.9%
肢318.7%
肢418.3%
肢255.9%
肢318.7%
肢418.3%
分野
科目:1 - 権利関係細目:4 - 条件・期間・時効
解説
- 正しい。停止条件付契約は停止条件が成就した時点からその効力を生じる契約であるため、支払う義務はありません(民法127条1項)。
停止条件付法律行為は、停止条件が成就した時からその効力を生ずる。
- [誤り]。条件成就を相手方が故意に妨げた場合、条件が成就したものとみなすことが可能です(民法130条)。AはBとの停止条件付契約を成就見込みであったにもかかわらず、故意にその成就を妨げています。よって、Bは停止条件が成就したとみなしてAに報酬を請求することが可能です。
条件が成就することによって不利益を受ける当事者が故意にその条件の成就を妨げたときは、相手方は、その条件が成就したものとみなすことができる。
乙不動産が値上がりしたために、Aに乙不動産を契約どおり売却したくなくなったBが、甲不動産の売却を故意に妨げたときは、Aは停止条件が成就したものとみなしてBにAB間の売買契約の履行を求めることができる。(H23-2-1) - 正しい。契約時点で山林の所有権はEに移っていたのですから、付された停止条件が成就することはありません。条件が成就しないことが契約のときに確定している場合、停止条件付契約は無効となります(民法131条2項)。契約は無効ですからBの報酬請求権が効力を生ずることはありません。
条件が成就しないことが法律行為の時に既に確定していた場合において、その条件が停止条件であるときはその法律行為は無効とし、その条件が解除条件であるときはその法律行為は無条件とする。
- 正しい。条件成就が未確定である場合でも当該債権を第三者へ譲渡することが可能です(民法129条)。
条件の成否が未定である間における当事者の権利義務は、一般の規定に従い、処分し、相続し、若しくは保存し、又はそのために担保を供することができる。
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