担保物権(全31問中10問目)
No.10
債務者Aが所有する甲土地には、債権者Bが一番抵当権(債権額2,000万円)、債権者Cが二番抵当権(債権額2,400万円)、債権者Dが三番抵当権(債権額4,000万円)をそれぞれ有しており、Aにはその他に担保権を有しない債権者E(債権額2,000万円)がいる。甲土地の競売に基づく売却代金5,400万円を配当する場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。平成27年試験 問7
- BがEの利益のため、抵当権を譲渡した場合、Bの受ける配当は0円である。
- BがDの利益のため、抵当権の順位を譲渡した場合、Bの受ける配当は800万円である。
- BがEの利益のため、抵当権を放棄した場合、Bの受ける配当は1,000万円である。
- BがDの利益のため、抵当権の順位を放棄した場合、Bの受ける配当は1,000万円である。
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正解 2
問題難易度
肢110.8%
肢259.0%
肢318.6%
肢411.6%
肢259.0%
肢318.6%
肢411.6%
分野
科目:1 - 権利関係細目:6 - 担保物権
解説
抵当権の譲渡、抵当権の放棄の違いを整理しておきます。どちらも二者間でのみ調整が行われ、その他の債権者には影響がないことがポイントです。
抵当権者は、一般の債権者よりも優先して弁済を受けることができます。また、抵当権者の中では順位が上のほうが優先して弁済を受けられます。したがって、本問のケースでは、譲渡も放棄もなければ原則として以下のように配当されます。
- 譲渡
- 譲渡した人と譲渡の相手が受ける配当の合計から、譲渡の相手が優先して配当を受け、残りを譲渡した人が受け取る
- 放棄
- 譲渡した人と譲渡の相手が受ける配当の合計を、両者の債権額で按分して配当を受け取る ⇒ シェアするイメージ
抵当権者は、一般の債権者よりも優先して弁済を受けることができます。また、抵当権者の中では順位が上のほうが優先して弁済を受けられます。したがって、本問のケースでは、譲渡も放棄もなければ原則として以下のように配当されます。
- B … 2,000万円
- C … 2,400万円
- D … 1,000万円
- E … 0円
- 正しい。BからEに抵当権が譲渡された場合、B・Eの配当の合計「2,000万円+0円=2,000万円」の中から、Eが優先して配当を受けることになります。Eの債権額は2,000万円ですから、Eの配当額は2,000万円、残り額がゼロなのでBの配当額は0円となります。
- B … 0円
- C … 2,400万円
- D … 1,000万円
- E … 2,000万円
- [誤り]。BからDに抵当権の順位が譲渡された場合、B・Dの配当の合計「2,000万円+1,000万円=3,000万円」の中から、Dが優先して配当を受けることになります。Dの債権額は4,000万円ですから、Dの配当額は3,000万円、残り額がゼロなのでBの配当額は0円となります。
- B … 0円
- C … 2,400万円
- D … 3,000万円
- E … 0円
- 正しい。BからEに抵当権の放棄が行われた場合、B・Eの配当の合計「2,000万円+0円=2,000万円」は、B・Eの債権額の割合に応じて配分されることになります。Bの債権額は2,000万円、Eは2,000万円ですから、B・Eの配当額の合計2,000万円は「B:E=1:1」で配分されることになります。
- B … 2,000万円×1/2=1,000万円
- C … 2,400万円
- D … 1,000万円
- E … 2,000万円×1/2=1,000万円
- 正しい。BからDに抵当権の順位の放棄が行われた場合、B・Dの配当の合計「2,000万円+1,000万円=3,000万円」は、B・Dの債権額の割合に応じて配分されることになります。Bの債権額は2,000万円、Dは4,000万円ですから、B・Dの配当額の合計3,000万円は「B:D=1:2」で配分されることになります。
- B … 3,000万円×1/3=1,000万円
- C … 2,400万円
- D … 3,000万円×2/3=2,000万円
- E … 0円
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