宅建試験過去問題 令和5年試験 問20
問20
土地区画整理法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。- 換地計画において定められた清算金は、換地処分の公告があった日の翌日において確定する。
- 現に施行されている土地区画整理事業の施行地区となっている区域については、その施行者の同意を得なければ、その施行者以外の者は、土地区画整理事業を施行することができない。
- 施行者は、換地処分の公告があった場合において、施行地区内の土地及び建物について土地区画整理事業の施行により変動があったときは、遅滞なく、その変動に係る登記を申請し、又は嘱託しなければならない。
- 土地区画整理組合は、仮換地を指定しようとする場合においては、あらかじめ、その指定について、土地区画整理審議会の同意を得なければならない。
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正解 4
問題難易度
肢114.1%
肢219.9%
肢312.5%
肢453.5%
肢219.9%
肢312.5%
肢453.5%
分野
科目:2 - 法令上の制限細目:5 - 土地区画整理法
解説
- 正しい。換地により、従前の宅地と換地の資産価値に不均衡が生じる場合には、その差を金銭で精算する旨を換地計画に定めることになります。これが「清算金」です。清算金の徴収と交付は、換地処分の公告があった日の翌日に確定します(土地区画整理法110条1項)。
施行者は、第百三条第四項の公告があつた場合においては、第百四条第八項の規定により確定した清算金を徴収し、又は交付しなければならない。この場合において、確定した清算金の額と第百二条第一項の規定により徴収し、又は交付した仮清算金の額との間に差額があるときは、施行者は、その差額に相当する金額を徴収し、又は交付しなければならない。
施行者は、仮換地を指定した時に、清算金を徴収し、又は交付しなければならない。(R2⑫-20-2) - 正しい。現に施行中の施行地区を含む土地区画整理事業を施行しようとするときは、現在の施行者の同意を得なければなりません。同意があった場合、その地区の土地区画整理事業は新たに施行者となった者に引き継がれます。これは同じ区域で複数の土地区画整理事業が重複して実施されることを防ぐ趣旨があります(土地区画整理法128条1項・2項)。
現に施行されている土地区画整理事業の施行地区となつている区域については、その施行者の同意を得なければ、その施行者以外の者は、土地区画整理事業を施行することができない。
2 現に施行されている土地区画整理事業の施行地区となつている区域について、前項の同意を得て、新たに施行者となつた者がある場合においては、その土地区画整理事業は、新たに施行者となつた者に引き継がれるものとする。 - 正しい。換地処分の公告があった後、施行者は施行区域内の土地及び建物について変動があったものについて、遅滞なく、登記を申請しなければなりません(土地区画整理法107条2項)。土地区画整理の登記は施行者によって一括して申請され、この登記がされるまでは、施行者以外の者は原則として登記することができません。
施行者は、第百三条第四項の公告があつた場合において、施行地区内の土地及び建物について土地区画整理事業の施行に因り変動があつたときは、政令で定めるところにより、遅滞なく、その変動に係る登記を申請し、又は嘱託しなければならない。
- [誤り]。土地区画整理審議会が置かれるのは公的施行※の場合のみです。本肢は組合施行ですから、土地区画整理審議会は設置されず、また同意を得る必要もありません(土地区画整理法96条3項)。
土地区画整理審議会は、地権者と施行者が異なる公的施行において、地権者に利害関係のある処分を行う際に地権者の意見を反映させるために設置される組織です。地権者が委員となります。
※施行者が、都道府県、市町村、国土交通大臣、独立行政法人都市再生機構、地方住宅供給公社のいずれかに該当するもの第三条第四項若しくは第五項、第三条の二又は第三条の三の規定による施行者は、前項の規定により保留地を定めようとする場合においては、土地区画整理審議会の同意を得なければならない。
個人施行者は、換地計画において、保留地を定めようとする場合においては、土地区画整理審議会の同意を得なければならない。(H25-20-3)
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