宅建試験過去問題 平成22年試験 問32

問32

宅地建物取引業者Aがその業務に関して行う広告に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはいくつあるか。
  1. Aが行う広告については、実際のものよりも著しく優良又は有利であると人を誤認させるような表示をしてはならないが、誤認させる方法には限定がなく、宅地又は建物に係る現在又は将来の制限の一部を表示しないことにより誤認させることも禁止されている。
  2. Aがテレビやインターネットを利用して行う広告は、新聞の折込チラシや配布用のチラシと異なり法の規制の対象とならない。
  3. Aが行う広告については、実際のものよりも著しく優良又は有利であると人を誤認させるような表示であっても、誤認による損害が実際に発生しなければ、監督処分の対象とならない。
  1. 一つ
  2. 二つ
  3. 三つ
  4. なし

正解 1

問題難易度
肢189.0%
肢25.3%
肢30.0%
肢45.7%

解説

誇大広告の禁止の規定は宅建業法32条に定められています。
宅建業法32条
宅地建物取引業者は、その業務に関して広告をするときは、当該広告に係る宅地又は建物の所在、規模、形質若しくは現在若しくは将来の利用の制限、環境若しくは交通その他の利便又は代金、借賃等の対価の額若しくはその支払方法若しくは代金若しくは交換差金に関する金銭の貸借のあつせんについて、著しく事実に相違する表示をし、又は実際のものよりも著しく優良であり、若しくは有利であると人を誤認させるような表示をしてはならない。
  1. 正しい。誤認させる方法には限定がなく、一般消費者が誤認し得る程度であれば禁止されます(解釈運用-第32条関係4)。条文に「利用の制限」という文言が含まれているように、取引物件にかかわる現在又は将来の制限の一部を表示しないことにより、一般消費者に有利であると誤認させることも誇大広告として禁止されます。
    「実際のものよりも著しく優良であり、若しくは有利であると人を誤認させるような表示」と認められるものとは、上記2の各項目について、宅地建物についての専門的知識や物件に関する実際の情報を有していない一般購入者等を誤認させる程度のものをいうこととする。
  2. 誤り。宅地建物取引業法では広告媒体の種類について特に範囲を定めていません(解釈運用-第32条関係1)。よって、テレビ・インターネットを利用した広告であっても規制の対象となります。
    …また、広告の媒体は、新聞の折込チラシ、配布用のチラシ、新聞、雑誌、テレビ、ラジオ又はインターネットのホームページ等種類を問わないこととする。
  3. 誤り。誇大広告、虚偽広告、おとり広告等を行うこと自体が宅建業法の違反行為であり、実際に損害がない場合でも、誇大広告を行った時点で監督処分の対象となることがあります(宅建業法65条1項・2項)。
    広告の表示が実際のものよりも著しく優良又は有利であると人を誤認させるようなものであっても、誤認による損害が実際に発生していなければ、監督処分の対象とならない。R2⑫-27-1
したがって正しいものは「一つ」です。