宅建試験過去問題 平成20年試験 問21

問21

建築基準法(以下この問において「法」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。ただし、用途地域以外の地域地区等の指定及び特定行政庁の許可は考慮しないものとする。
  1. 店舗の用途に供する建築物で当該用途に供する部分の床面積の合計が20,000平方メートルであるものは、準工業地域においては建築することができるが、工業地域においては建築することができない。
  2. 第一種住居地域において、カラオケボックスで当該用途に供する部分の床面積の合計が500平方メートルであるものは建築することができる。
  3. 建築物が第一種中高層住居専用地域と第二種住居地域にわたる場合で、当該建築物の敷地の過半が第二種住居地域内に存するときは、当該建築物に対して法第56条第1項第3号の規定による北側高さ制限は適用されない。
  4. 第一種中高層住居専用地域において、火葬場を新築しようとする場合には、都市計画により敷地の位置が決定されていれば新築することができる。

正解 1

問題難易度
肢153.4%
肢211.0%
肢314.4%
肢421.2%

解説

  1. [正しい]。床面積の合計が10,000㎡を超える店舗を建築できるのは、近隣商業地域、商業地域、準工業地域の3つの用途地域に限られます。工業地域には建築することができません。
    21_1.png./image-size:614×348
  2. 誤り。カラオケボックスを建築することができるのは、第二種住居地域以降の7つの用途地域に限られます。第一種住居地域にはカラオケボックスを建築することはできません。
    21_2.png./image-size:542×139
  3. 誤り。建築物が第一種中高層住居専用地域および第二種住居地域にわたる場合は、第一種中高層住居専用地域内の土地内の建築物の部分に限り北側斜線制限が適用されます(建築基準法56条5項)。
    建築物が第一項第二号及び第三号の地域、地区又は区域の二以上にわたる場合においては、これらの規定中「建築物」とあるのは、「建築物の部分」とする。
    建築物が第二種中高層住居専用地域及び近隣商業地域にわたって存する場合で、当該建築物の過半が近隣商業地域に存する場合には、当該建築物に対して法第56条第1項第3号の規定(北側斜線制限)は適用されない。H25-18-3
  4. 誤り。火葬場は、用途地域内の建築物の用途制限により以下の4つの地域内には建築できません(ただし特定行政庁の許可があればOK)。
    • 第一種低層住居専用地域
    • 第二種低層住居専用地域
    • 田園住居地域
    • 第一種中高層住居専用地域
    本肢は「第一種中高層住居専用地域」であり、特定行政庁の許可を受けたという記述はないので原則通り建築不可となります(建築基準法48条3項)。
    21_3.png./image-size:550×123
    なお、火葬場および卸売市場、と畜場、汚物処理場、ごみ焼却場等を都市計画区域内に建築する場合には、用途制限に加えて、都市計画で敷地の位置が定められているという基準もクリアする必要があります(都市施設としての建築しかできない)。こちらも特定行政庁の許可があればOKです(建築基準法51条)。
    第一種中高層住居専用地域内においては、別表第二(は)項に掲げる建築物以外の建築物は、建築してはならない。ただし、特定行政庁が第一種中高層住居専用地域における良好な住居の環境を害するおそれがないと認め、又は公益上やむを得ないと認めて許可した場合においては、この限りでない。
    都市計画区域内においては、卸売市場、火葬場又はと畜場、汚物処理場、ごみ焼却場その他政令で定める処理施設の用途に供する建築物は、都市計画においてその敷地の位置が決定しているものでなければ、新築し、又は増築してはならない。ただし、特定行政庁が都道府県都市計画審議会(その敷地の位置を都市計画に定めるべき者が市町村であり、かつ、その敷地が所在する市町村に市町村都市計画審議会が置かれている場合にあつては、当該市町村都市計画審議会)の議を経てその敷地の位置が都市計画上支障がないと認めて許可した場合又は政令で定める規模の範囲内において新築し、若しくは増築する場合においては、この限りでない。
したがって正しい記述は[1]です。